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cfff8590.jpgおすぎさんに宣伝されるずっと前からこの映画は絶対観に行くと決めてました。ああいう宣伝の仕方ってあんまり好きじゃないっていうか、もっと作品本位で訴えてほしいなぁって思うんですよね。かえって作品の良さを歪めかねないような?

それに引き換え、劇場予告編は作品の重要ポイントはしっかりおさえてる感じがしました。目覚めた主人公の目線をそのままカメラアングル、私はあの場面だけでちょっと身震いしちゃってこの映画スゴイかもって思っちゃいましたヨ。というわけで雪の予報にもめげずに公開初日にチャレンジです。

出演はその他に、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、パトリック・シェネ、ニエル・アレストリュプ、オラツ・ロペス・ヘルメンディア、ジャン=ピエール・カッセル、イザック・ド・バンコレ、エマ・ドゥ・コーヌ、マリナ・ハンズ、マックス・フォン・シドー

+++ちょいあらすじ
病院のベッドで目を開けたジャン=ドミニク・ボビー。彼は脳梗塞で倒れてから何週間も昏睡状態が続き身体は麻痺状態で唯一動かすことができるのは左目のみだった。意識は明確だが言葉を発することが出来ずにいた彼に言語療法士のアンリエットが目のまばたきによって意思を伝える方法を訓練し始める・・・
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映画を観終えて考えると、このタイトルって素敵だななァってつくづくそう思いましたヨ。ご覧になった方には説明不要かと思いますけど、潜水服というのはとても不自由な状態だけど、その中では蝶が自由に舞うようにいろいろな思考、想像ができるという、という風な意味がこめられているんだそうです。ファッション誌「エル」の編集長として活躍しながら脳梗塞で倒れたジャン=ドミニック・ボビーが20万回の瞬きで綴った自伝小説が原作の実話です。

ロックトイン・シンドローム(閉じこもり症候郡)。脳梗塞によりほぼ全身麻痺状態となり左目しか動かせなくなってしまった主人公ジャン=ドミニク・ボビー。そんな彼とのコミュニケーションは唯一動く左目の瞬きによって言葉を交わしていくこと。いわゆる植物状態になってしまった人が出てくる作品自体はこれまでに見受けられました。でもこの作品のように患者本人の目線で描かれたものとなると、私は全く記憶にありません。

カメラアングルは常にジャン=ドーの左目の目線であることも臨場感となり、回想シーンが無いとドキュメンタリー風にも感じられてきそうな映像タッチはとても新鮮でドキドキ感もいっぱいでした。まるで観てる私も主人公の視神経に接続されて同じものを観て主人公が思ったこともそのまま伝わってくるかのような感覚にも陥ります。

主人公による一人称の目線と思考だけで描かれていく物語は、モノローグとダイアローグを繰り返しながら彼の心の変化をとても繊細に捉えていきます。それはまるで幻想と現実が交錯するようなファンタジックな雰囲気なんだけど、それが彼の生きている世界なんですね。考えてみれば植物人間や障害者という呼び名ってそうじゃない人たちにとって都合の良い名前なだけで本人が望んだわけじゃないんですよね。意志の表現を失ったからといって人間でなくなったわけでありません。身体は機能を失っても心は生きているんです。そして言語療法士のアンリエットとの訓練で得たコミュニケーション能力で人とふれ合っていくことでその心はさらに躍動していったのでしょう。

物言えぬジャン=ドーにいろいろな言葉を投げかけてくる医療スタッフたちや見舞いに訪れた人々。意志の疎通が出来ない状態をリアルに描きつつも、肝心のジャン=ドミニクが問いかけられてる事とは全く別にことを考えてたりするとこなんかけっこうコミカルで面白かったです。特に理学療法士の美人な先生がリハビリの方法をキスの仕草に例えて説明するとこなんかは、意外とみなさん似たようなこと考えてるのかもしれませんよね?(笑)。笑えるシーンだけど、あれはある意味、人間の本質をついてるなって思いました。見ていたサッカー中継のテレビを勝手に消されてガッカリしてるシーンには思わず共感しちゃったし、もし自分が似たような立場だったらなんて事を考えさせられながらずっと物語を観ていたような気がします。

この映画を観て、私はすごく勇気をもらえた気がします。そして周囲にいてくれる人々の優しさや思いやりを噛みしめながら毎日を大切に生きることが大事にしたいなって感じました。誰もが老いていくし身体も不自由になっていきます。でも心の力はそう簡単に奪われるものではないんですね。

もしかしたら観る人を選ぶところはあるかもしれないけど、私は医療福祉に携わる方や実際に身内を介護をされてる方、そして何より当事者である方々にぜひとおもオススメしたい作品です。この道何十年というキャリアの方でもこの物語には新たな発見や感動を得られるかもしれません。


感動度★★★★★