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cb5e44a4.jpgこの映画、監督したのが私の好きな「茶の味」の石井克人監督でツヨポンと加勢亮くんが出演しているという事から先ず興味を抱いたのですが、1938年に発表された「按摩と女」のカバー作品だという事は映画を観る間近になって知りました。

出演はその他に、マイコ、広田亮平、津田寛治、黒川芽以、洞口依子、松金よね子、渡辺えり子、三浦友和、堤真一、田中要次

+++ちょいあらすじ
目の不自由な按摩の徳市と福市が連れだって山の温泉場へと向かう道を歩いていく。彼らは目が見えない分、研ぎ澄まされた他の感覚で前を歩く人達をかぎ分け、目あきの人々を何人も追い抜いていくことを楽しんでいた。そんな二人の横を東京から来た女性・三沢美千穂、大村真太郎、真太郎の甥・研一を乗せた馬車が通り過ぎていった・・・
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スクリーンからマイナスイオンが湧き出てくるようなのどかな風景に包まれた情感溢れる優しい物語でした。新緑眩しい木々の木漏れ日や清流のせせらぎ、温泉から聞こえる桶の響き。湯治場でゆったりお風呂につかって、美味しいもの食べて、マッサージ受けてのんびり過ごしたくなっちゃいますね。あ、私は徳さんじゃなくて福さんがいいです。

物語は山の温泉場を舞台に、按摩師の徳市の謎めいた魅力のある東京の女・三沢美千穂へ抱いた淡い恋心と同じく東京からやってきた大村真太郎とその甥・研一を交えた四角関係?の恋模様を描いていきます。

映画としてはとても風流で透き通る川の水のような清涼感のある作品なだけど、物語としては按摩師という題材が今の時代にどう受け取られるかというとこにかかってきそうですね。たぶん年配の方々には普通に知識としてあるんでしょうけど、若い人にはピンとこないかも。私も按摩さんという職業は知ってるけど実際に出会ったことはないので劇中の彼らがリアルなのかはよくわからりません。でも、まだまだ未成熟な日本の社会においては時として差別的だったり排他的だったりする世の中で按摩さんの生き生きとした姿、それも恋物語を描くこのような作品があったということに単純にスゴイなって思っちゃいました。

ツヨポン、加瀬くん、堤さん、子役、津田さん、三浦友和さんなどなど、実力派、演技派、個性派と役者が揃う中で、何故に新人素人のマイコさんがヒロインだったのかが謎です。確かに映像的には映える素敵な女性だとは思うんですけどね。

純愛度★★★