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0b92a83c.jpg監督のタナダユキさんといえば『赤い文化住宅の初子』の印象が鮮烈でしたけど、あの作品は全国的には観た人は少ないでしょうから、この映画が彼女にとってはメジャーデビューとなる監督作品といえそうですね。お金絡みのガーリームービーという共通点は彼女のこだわり?とにかくとっても楽しみにしていた作品です。先週は邦画が少なかったぶん今週はルンルンウキウキですね
(笑)。

出演はその他に、ピエール瀧、竹財輝之助、齋藤隆成、笹野高史、嶋田久作、モロ師岡、石田太郎、キムラ緑子、矢島健一、斎藤歩、堀部圭亮、平岩紙、江口のりこ、悠城早矢、弓削智久、 佐々木すみ江

+++ちょいあらすじ
就職浪人中で実家で暮らしながらアルバイトをしている21歳の佐藤鈴子。ある日バイト仲間の女性からルームシェアを持ちかけられ提案に応じたものの、それは予想していた生活とは異なったうえに思いも寄らぬ事件にまで発展し警察沙汰になった挙げ句に鈴子は前科者になってしまう。罰金刑で釈放されたものの家では肩身が狭く弟から罵られ鈴子は「百万円貯まったら出ていきます」と家族に宣言するのだった・・・
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好きだなァ、こういうの。タナダユキ版の蒼井優ワールドな作品としては素晴らしくそれぞれお互いの個性と魅力が引き出されてるんじゃないかと思います。不器用で自分の居場所が見つけられず浮遊するような女の子の描き方は抜群に上手いよね。ありきたりのハッピーなだけの青春ストーリーじゃなくて、ちゃんとほろ苦さも引きずってる味付けがスゴク好き。

人と深くは関わりたくなくて、不安から逃れるように100万円が貯まると別の見知らぬ町へと引っ越しを繰り返す21歳の女の子・佐藤鈴子。彼女は決して人間嫌いというわけじゃないと思うんだけど、深く関わる事で生じる人間関係がとても苦手で辛くなる前にその場所から消え去る事で自分自身を守ろうとしていたのでしょう。それは嫌な事でもハッキリ嫌と言えず笑いながら困った顔しちゃう苦虫女な鈴子の処世術なのかもしれません。

人生という旅の中での「出会いと別れ」がテーマとも言える青春ロードムービー。他者との深い関わりを避けるために居場所を転々とする鈴子が実は各地で出会った人々とのふれあいによって人の温かさや優しさを知り彼女なりの成長を遂げていくというのがこの物語の最大のミソ。

物語では最後に出て来る町で出会った中島亮平くん。彼との関係に不安を感じカーテンにくるまって悩む鈴子の気持ちは誰もが一度くらい経験してる事でしょう。もしかしたら鈴子はあの場所には居続ける気持ちも芽生えていたのかもしれませんね。そんな彼女に逃げているばかりじゃダメな事を教えてくれたのは弟から手紙でした。

サプライズ的に明かされるあの中島くんの行動はもしかしたらと想像はしていてその通り的中したんだけど、肝心のラストでは見事に予想外に裏切られて、とても爽快な気分にさせてもらいました。あのチョイスが出来ちゃうセンスがタナダユキさんの魅力なんですよね。

映画作品として傑作じゃないかもしれないけど、別に評論するために観に行ってるわけじゃないもんね。自分の心の琴線にふれてくるような好きと思える映画に出会えれば幸せなんですヨ。もう1回観に行っちゃおうかなぁ。


苦虫度★★★★★