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fa5948e5.jpg私がよく行く109シネマズ川崎で上映される事もあって余所では全く見かけることのなかった劇場予告編もちょくちょく目にしていたので、この映画にはとても注目していました。タイの社会で実際にに社会問題化している臓器売買、児童虐待及び売買春をテーマにした社会派の作品です。

出演はその他に、妻夫木聡、プラパドン・スワンバーン、プライマー・ラッチャタ、豊原功補、鈴木砂羽、塩見三省、佐藤浩市

+++ちょいあらすじ
日本新聞社のバンコク支局に勤める新聞記者の南部は、東京本社から日本人の子供がタイで心臓の移植手術を受けるという情報を伝えられ調査を指示される。知人のツテで元仲介者という男に接触した南部は、臓器提供者となる子供の現状を知り愕然とした。調査を続ける南部は以前訪れたNGO組織の社会福祉センターを訪れそこでボランティアで参加している日本人女性の音羽恵子に出会う・・・
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この映画は副題に『不都合な真実』と加えるのもいいかもしれませんね。これは間違いなくある特定の誰かさんたちにとっては不都合な真実を暴き出す内容で、例えば具体的に言えば劇中のセリフにあった気色悪い日本人がそうだと思います。

物語はタイの闇社会で行われている幼児の臓器売買と売春という現実を新聞記者と女性ボランティアの二人の視点を交錯させながら描いていきます。これまで同じような題材がなかったわけじゃないと思うけど、この作品では普通に生活してるたち人たちには全く関わることのないような小児性愛者たちのアンダーグラウンドな世界を直接的な描写こそないものの現実を直視するように描いていきます。

スクリーンの中で描かれていくあまりに非道な大人達の行為に、不愉快さや嫌悪感が沸々と沸き上がってきました。直接的な描写はないものの気色の悪い大人たちが何をしているかは察しがつくし、児童虐待に厳しいアメリカだとこのままでは上映不可能かもしれませんね。大人たちのエゴによって人生も心もボロボロにされ、最悪には奪われてしまうまだ小さな命。演技とはいえ幼い子供たちを陵辱する醜い男たちは本当に気色が悪かったです。

そんな私にとってこの物語の結末というのはかなり複雑な心境に陥りました。「もしかしたら・・・」という予感はちょっとはあったけど、演じてる役者さんのイメージとあまりにかけ離れていて戸惑いました。でも今こうしてじっくり考えてみると、彼のようなごく普通に思える人たちでさえも魔が差して足を踏み入れてしまうという現実を描いていたのかもしれませんね。

悪の根源は子供たちを売買するマフィアの存在なのでしょう。しかし需要があるからこそ商売として成り立つわけで、性欲を満たすために幼児を買い漁る人間も自分の子供を救うために他の子の命を奪うことを否わない人も根本的に大差ない気がします。もちろん日本での子供の臓器移植の環境に問題があるのはわかるけど、結局それは自分さえ良ければいいというのは、かつて列強国が植民地化した国々から搾取していた時代となんら変わらないでしょう。

初日の初回を観に行ってきましたけど、なんと満席完売。夏休みの大作映画が多くて割り当てられた箱が小さかったのもあるけど、こういう小規模な作品で客席中が緊張感に包まれ皆がスクリーンを固唾をのんで凝視してる雰囲気というのは映画ファンとしては珠玉の時間の過ごし方だったと思います。

ところで、人身売買の実行役の男が車を運転しながら口ずさんでいた曲って確か「タイガーマスク」のエンディング曲じゃありませんでした?あれにはどういう意味があったんだろ?「孤児」つながりとかそういうことかな?


深刻度★★★★☆