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ff0022af.jpg夜の上海』の舞台挨拶でモックンが言ってた「今はまだ言えない次回出演作」ってコレだったんですね。モックン自身が物語の発案をしたという話だけど、たぶんモントリオール映画祭でグランプリを受賞しなかったら日本では公開前から話題にさならなかったでしょう。素敵な代表作となって良かったですね。

出演はその他に、山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史、杉本哲太、峰岸徹、山田辰夫、橘ユキコ

+++ちょいあらすじ
所属していたオーケストラが解散し職を失ったチェロ奏者の小林大悟は住み慣れた東京を離れ妻の美香と二人で故郷の山形へと戻った。早速、地元での就職活動を始めた大悟は求人広告で見つけたNKエージェントに興味を持ち面接へと出掛けた。するとその場で即採用となるのだが、旅行関係の業務だと思っていたその会社は遺体を棺に納める納棺師の仕事を請け負うところだった・・・
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人生の最期、エピローグとも言うべき物語を鮮やかな美しさと優しさで描いたとても素晴らしい作品でした。納棺師をテーマに真摯に取り組んだ事で作品としての成功はほぼ決まったといえるかもしれません。だって神聖な人の「死」そのものを描こうとするわけだから、故人を貴ぶ気持ちや遺族の思いなどテーマの持つ重さをいつも以上に強く感じながら取り組んでいたと思うんですよね。軽々しく扱えないテーマというプレッシャーは映画祭の中で誠実さに繋がっていたように感じます。

ドラマは故郷へと戻ってきた主人公がひょんな事から納棺の仕事に就くことになり、その仕事内容に葛藤しながらも現場で様々な体験を積み重ねていく中で人々と触れあい、この仕事の重要性や意義を見出しやがて誇りを抱くまでに成長していく姿を描いていきます。

死者のための儀式としても老若男女、世代を超えて共通するテーマだし例え視点は違ってもそれぞれがそれぞれの立場で何かを感じとることが出来るんだと思います。そしてそれはおそらく国や文化が違っても同じことなのかもしれません。また「死」を描くことは「生」を描くことでもあり、それは自ずと家族の姿にも繋がっていくのです。そして決して厳粛なだけでは、日本のわびさび喜怒哀楽といった豊かな感情表現が織り込まれているからこそ、心が大きく揺さぶられるんだと思います。

劇中での見せ場、見所の一つはモックンが演じる主人公・小林大悟の納棺の所作です。死者の最期を優しく丁重に清め美しく彩るという行為はとても芸術的でまさに匠の技。それは死者を安らかに旅立たせると共に遺族たちの傷ついた心を癒すのかもしれません。日本の文化や風習を知らない異国の人々でも、それがとても心のこもった誇り高い仕事であることはきっと伝わるのでしょう。モックン、いいお仕事しましたね。


感動度★★★★★

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