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a642be04.jpg昨年のこの時期は近場で上映している作品はほとんど観てしまって観るものがなかったような気がするんだけど、今年はカレンダーの兼ね合いなのか、まだまだ観たい映画が何作品か残ってるんですよね。でもとりあえず年内はあと2作品くらいで締めにしようかなぁと思っているところです。この映画も渋谷まで観に行かなきゃと思ったら川崎のシネコンで公開が始まってラッキーでした。さすがにこの季節、鬼のように混む渋谷に行くのはちょっと避けたい(笑)。

出演はその他に、フェルナンド・カヨ、ロジェール・プリンセプ、ジェラルディン・チャップリン、マベル・リベラ、モンセラート・カルーヤ、アンドレス・ヘルトルディクス、エドガール・ビバル

+++ちょいあらすじ
海辺にある孤児院で育ったラウラは30年後に閉鎖されていたその施設を買い取って再建させようと、夫カルロスと息子シモンと共に移り住んできた。しかし、シモンは遊び相手のいない寂しさからか空想で6人の友だちを作りだして本当にいるかのようにラウラい熱心に話しだした・・・
+++

さすがは『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロのプロデュース作品。なんていきなり書いてしまうと映画会社の宣伝文句をそのまま受け売りしてるみたいになっちゃいますけど、『パンズ・ラビリンス』を気に入って観に行った者としては期待に応えてくれる作品だったのです。今年も残りあと僅かとなって出会えたアタリ映画ってちょっと得した気分になれるんですよね。この映画は選んで正解でした。常に緊張感が張り詰めっぱなしでしたけど痺れる作品です。たんにホラー映画としてしまうのは勿体ないと思えるダークファンタジーなサスペンスフルドラマです。

オチを知ってしまえば、何だそういう事ねと思えちゃうかもだけど、真相が説き明かされるまでは、現実か夢なのかもわからないようなミステリアスな世界にグイグイと引き込まれてしまうんです。心霊現象などまるっきり信じてなくても、スクリーンの中で起きてる出来事には不思議と説得力があって特に疑問を抱くことなく物語に吸い込まれていった感じです。それはまるで息子シモンの空想遊びの世界に引き込まれていった母ラウラの心境と同じだったのかもしれませんね。母子の強い絆と愛が過去のある悲劇と運命を交錯させていきます。

ハリウッドのホラー映画にありがちなヒロインたちが恐怖に怯えギャーギャー絶叫したり、意味不明なセクシーカットがあったり、バカップルは当然の捨てキャラですぐに殺されちゃったりというようなお約束は全くありません。たぶんホラーとしての発想はとてもシンプルだと思うんです。でもスゴク深みを感じるんですよね。よく考えてみれば、物語の舞台も主人公たちが引っ越してきた屋敷がほとんどの狭い範囲で展開されていくんですけど、それが繊細で厚みの感じられる人間ドラマと巧みな演出によって、見えないもの存在しないはずのものが、あたかもそこに居るかのように感じられてくるのかもしれません。

映画的な事を言うと脚本、出演者、演出と全てが高いクオリティでバランス良くまとまった結果なんじゃないかなァと思いました。視覚的な恐怖感ばかりを追求するホラー映画にはなかなか真似出来ないでしょうね。やっぱりスペイン映画、いいなァ。


心霊度★★★★