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a0bec809.jpgもうすっかりハリウッド映画界の巨匠の座を揺るぎないものとした感のあるクリント・イーストウッドが監督・主演を務めた最新作です。出演はこれが最後の作品なんて話も聞こえてきましたけど、その一方でいつもこれが最後と思って取り組んでいるというコメントも耳にしました。別にそれはどっちでもいいんですけど、ワタシ的には以前はあまり好みじゃなかったクリント・イーストウッドがすっかり期待の監督になってるというこの状況が感慨深いです(笑)。

出演はその他に、ビー・ヴァン、アーニー・ハー、クリストファー・カーリー、コリー・ハードリクト、ブライアン・ヘイリー、・ホウ、ジェラルディン・ヒューズ、ドリーマ・ウォーカー、ジョン・キャロル・リンチ、スコット・リーヴス、ブルック・チア・タオ
監督:クリント・イーストウッド

+++ちょいあらすじ
元軍人でもありフォード社で長く勤めていたウォルト・コワルスキーも今は現役を引退し妻と二人で単調ながら平穏な生活を過ごしていたが、その妻に先立たれてしまう。それでも息子家族との交流は好まず、妻が自分亡き後のことを心配し神父に気配りを託したもののそれも拒み、愛犬のデイジーと特に代わり映えのしない生活を送っていた。そんなある日、彼の愛車であるグラン・トリノが何者かに盗まれそうになり銃を手にガレージへ向かうと・・・
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涙は流れなかったけど、確かに心には響いてくるものが感じられる作品でした。でも、もしかしてあのラストはあえて描かなくても良かったんじゃないかなぁと思います。かといって他の方法がすぐに思いつくわけじゃないんだけど、何だか後味がちょっと微妙な感じになってしまいました。

主人公のウォルト・コワルスキーは俗世間を忌み嫌う頑固で変わり者の老人。かつてはフォード社一筋で働いてきたエンジニアで愛車の1972年製グラン・トリノが宝物。アジア人蔑視が著しいのだけどそれには朝鮮戦争という忌まわしい記憶にどうやら理由があったみたい。

白人、黒人、ヒスパニックにアジア系といずれの人種もステレオタイプな描き方をしているのだけど、そこをあえて強調しているのが、この物語の鍵なのかもしれません。ウォルトの偏見はかなり強く保守的で自分の息子がトヨタの車に乗ってるのが気に入らないみたいだし、お米が主食なのはよっぽど問題らしいです。お米食べて悪いんですか?自分たちだって餌みたいなシリアル食品ばっかり食べてるくせに、と文句の一つも言ってやりたくなりますよ。あなたは一生ビーフジャーキーとビールだけ口にしてなさいって(笑)。

でもこのウォルトの偏見が激しいからこそ隣家に越してきたアジア系モン族の一家の姉スーと弟タオとの交流とウォルトの心の変遷にはグッときちゃうんでしょうね。終盤のある出来事までの物語というのは、他人との付き合いを避け頑なに心を閉ざして老人が今まで偏見を持ち交流を避けてきたアジア系の家族たちによって癒され、そしてまた内向的だった青年タオも老人との交流を通じて成長し自信を持ち始めていくという、所々にはクスクスと笑えるエピソードもあったりして、とっても和めるハートフルな展開なんですよね。

そんな物語が序盤から張り巡らされてきた伏線の出番によって流れが急転しちゃうわけですが、ウォルトにはあの選択しかなかったんでしょうか?でも若い神父も本心では共感してたし、彼らを取り巻く環境はそれだけ深刻だったのかもしれません。


人間度★★★★