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juryokupiero.jpg伊坂幸太郎作品はまだ一度も読んだことはないのに伊坂幸太郎ファンを名乗ってしまう私です。ベストセラー小説で伊坂幸太郎作品の中でも最高傑作と言われる『重力ピエロ』の映画化はとても期待していた一方で映像化は難しいんじゃないかという話もちらほら耳にしていて不安も混ざり合う心境でしたけど、前評判は概ね良好?主演が大好きな加瀬亮くん、岡田将生くんだし、きっと大丈夫でしょう(笑)。

出演はその他に、小日向文世、吉高由里子、岡田義徳、渡部篤郎、鈴木京香

+++ちょいあらすじ
大学院生で遺伝子を研究している兄の泉水と芸術的な才能を持つ弟の春はとても仲の良い兄弟。数年前に母親を亡くしたが、今は優しい父と3人でそれぞれ平穏に暮らしていた。そんな彼らの住む街で謎の連続放火事件が発生していた・・・
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原作未読なので比較は出来ませんけど、この映画はスゴク良かったです。ここのところ邦画のアタリが続いて嬉しいんですけど、これももう一度観たくてスケジュールのやりくりに悩んじゃいます。

兄弟の物語っていうのもいろいろありましたけど、この物語の泉水と春ほどお互いを思いやり愛しんでる兄弟にはそうはなかなか出会えないでしょう。ストーリーも趣向も全然違うけど西川監督の『ゆれる』を思い出しちゃいました。

春の出生の秘密はそれが過酷な運命とは言えあまりに悲しすぎるし、その弟を守ろうと大きな愛で包み慈しむ兄や両親の姿は切なくも優しさに溢れまくるのです。いわゆる異父兄弟の泉水と春はその性格も真逆だったけどまぎれもない血の繋がった兄弟で、母を失った事も二人の絆をいっそう固いものにしとぃったのかもしれません。

そんな二人が暮らす仙台のとある街で続発する連続放火事件。街の落書きを消してまわる春はその落書きと放火事件がリンクしている事に気付きます。その一方、泉水は友人から二十年程前にこの街を震撼させたレイプ犯が刑期を終えこの街に戻ってきた事を知らされます。同じ街に巻き起こった二つの暗い事件。この二つの事件といくつかの伏線が絡まりあってたどり着くのは、かつて奥野家に起きた忌まわしくも悲しい出来事の本当の意味での結末だったのかもしれません。

過去と現在にまたがる二つの事件が絡みに絡んで奇妙な符合を見せはじめ、やがて強く結び付いて一つのミステリーとなりその謎をひもといていくと、そこに明かされるの家族の真実のドラマなのです。

優しい父も優秀な泉水も溌剌な春もずっとずっと悲しい過去や運命という重力に縛られながらも明るく努め生きてきたのかもしれませんが、家族が幸せであればあれほど春にとっては自分の身体に流れるある男の血がとても忌まわしくなってきたのでしょう。春はそんな重力の縛りをいつか自分から消し去ってやろうと子供の頃から考えていたのかもしれません。家族みんなでサーカスを観たあの日から。

『重力ピエロ』も映画化されたことだしそろそろ伊坂幸太郎作品を解禁して読んでみようかな?


兄弟度★★★★☆