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なくもんか通常の劇場予告編以外にもそのシネコンの宣伝やマナー告知などなどTVでのPRも含めてかなり大量の宣伝を見せられてちょっと食傷気味になってます。近所のシネコンに映画を観に行くたび必ずと言っていいほど予告編がかかるんですけど、そのたびに誰かが必ず「タモリさんじゃないよ」のところで笑うんですよね(笑)。私の場合、予告編だけで既にネタに飽きてるんですけどそれっとどうなんでしょう?

出演はその他に、塚本高史、皆川猿時、片桐はいり、鈴木砂羽、カンニング竹山、高橋ジョージ、陣内孝則、藤村俊二、小倉一郎、光石研、伊原剛志、いしだあゆみ
監督:水田伸生

+++ちょいあらすじ
幼いころ、いい加減な生き方をするダメな父親に連れられて妊娠中だった母親と別れ、さらに世話になった総菜屋さんに置き去りにされてしまった祐太は結局そのまま店主に息子のように育てられ、子供ながらに恩義を感じたのか一生懸命にその家を手伝い働き続けやがて二代目を任されてハムカツが人気で行列の出来るお店へと成長させた・・・
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まさかこんなに笑って泣ける映画だとは思わなかったですヨ。人情味たっぷりでハートウォーミングな素敵な映画でした。『舞妓 Haaaan!!!』みたいなドタバタ劇をイメージしてた事も意外にもと言ったら変かもだけど、主人公とその家族を描くドラマにしっかりと一本の太い筋が見えるんです。クドカンの脚本だけにもっとふざけてくるのかと思ってたら大事なところ直球をズバっと投げ込んでくる真面目さが物語の緩急にもなって心を揺さぶってくるような感じでした。

下町で大人気のハムカツを売る二代目の山ちゃんこと祐太。誰にでも親切で頼まれたら絶対に断らない究極のお人好しの主人公・祐太のキャラはサダヲちゃん以外じゃ考えられないハマリ役なんですよね。いつもみんなに愛想良く笑顔をふりまく祐太。でもその笑顔は幼くして親に捨てられてしまった祐太の悲しみ切なさの裏返しであり、血のつながりもない家庭の中で生きて行く彼の処世術みたいなものだったのでしょう。

ハマリ役といえばプチ整形疑惑の一人娘・徹子を演じた竹内結子さんも良かったんですよね。彼女はコメディも上手いし、しっとりした上品な役柄なんかよりもこういうチャキチャキした威勢のいい女性のほうが似合いますよね。祐太と徹子のやりとりは演技の技術云々というよりはセンスとノリの良さが全てのような息の合った掛け合いで絶妙な笑いをもたらしてくれるんですよね。

予告編の印象から幼い頃に生き別れて(相手がまだ生まれてもない胎児で生き別れというのかわからないけど)別々の人生を歩む兄弟の話がメインなのかと思ったけど、それはわりと終盤での見所で物語の大部分は祐太と徹子の夫婦の姿だったのもワタシ的には好ポイントだったかもしれません。

劇中で徹子が「貧乏、動物、子供は泣けるドラマの三大要素」と言ってたけど実はこの映画もその王道パターンだったりするんですよね。たぶん動物は祐太なんじゃないかと(笑)。でもホントにサダヲっち演じる祐太はそれくらい愛おしく思えちゃうキャラなんですよね。

クドカンの脚本としてはわりとベタな線を狙ってるような印象を受けたんですけど、しっかりとドラマが楽しめたぶん満足度も高いのかな。どことなく寅さんを思い出させるとこもあるような笑顔と涙に胸キュンな下町人情喜劇でした。

「お父さん」というあのセリフ。わかっていても泣けてきちゃうのはきっとその言葉をずっとずっと祐太と同じように待ち望んでいたからなのでしょう。

ところで楳図かずおさんってちゃんとクレジットされてたけどもしかして後ろ姿だけでの出演だったの?


家族度★★★★☆