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ソラニンNANA-ナナ』ではバンドヴォーカルの親友役。『少年メリケンサック
』ではバンドのマネージャー役を演じた宮崎あおいちゃんがついにギター&ヴォーカル役に挑んだ作品です。私の大好物な青春バンド映画でさらにキャスティングも私好みの面々なのでとっても楽しみにしてました。

出演はその他に、桐谷健太、近藤洋一、伊藤歩、ARATA、永山絢斗、岩田さゆり、美保純、財津和夫

+++ちょいあらすじ
社会人2年目の井上芽衣子。平凡だけど無難ともいえる毎日を過ごしてきた彼女だったがある日ふとしたことから会社を辞めて自由な生活を手にするのだが、それは逆に閉塞した先の見えない人生を実感させるのだった。芽衣子の恋人で同棲中の種田成男は音楽への夢をあきらめられないもののだからといってチャレンジする自信もなく彼もまた閉塞した日々を過ごしていた・・・
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めちゃめちゃツボにハマりましたヨ。私の心のど真ん中のストライクを突き抜けていく青春ラブストーリー。甘酸っぱさ、ほろ苦さ、痛みや苦しみ、焦りや苛立ちといった青春の味わいを噛み締めながら明日へと向かっていく若者たちの姿に胸がキュンキュン唸って壊れそう。何から書いていいのやら整理がつかなくてその前に出来ればもう一度観たいくらいの気分なんですけど、とにかく良かった、凄くヨカッタです。

バンドの物語といえば、メジャーデビューを果たしたりヒット曲を生み出したりというサクセスストーリーになりがちですけど、この物語の主人公の種田たちはそのもっと手前にいる人々。音楽が大好きでバンドが大好きで情熱を注いではいるけど、それを人生の仕事や生活の糧とするまには至らず理想と現実の間で悩み悶々としながらも毎日を過ごしているような若者たちなのです。そして種田の恋人の芽衣子もただ毎日過ぎていくだけの時間に流されてるだけのような閉塞した人生を送る平凡なOLでした。

種田と芽衣子の同棲生活は穏やかで心地よいものでしたけど、二人が自分たちの将来を見つめたときそこには決して明るく楽観的な希望を描くことは出来ずただ流されていくだけの現状に漠然とした不安を抱いていたのでしょう。その不安は芽衣子が仕事を辞めたことで種田に現実の問題として突きつけられてくるのです。音楽に夢は抱きつつもかといってそれを仕事とするために挑戦する勇気もなくあくまでも趣味という位置づけにすることで自分を納得させフリーターをしている種田。しかし芽衣子の退社という突然の行動が種田を人生の分岐点に立たせこれまでの流れに逆らって生きる決意をさせるのです。ところがようやく未来に向かって小さな一歩を踏み出そうとした二人に予期せぬ悲劇が訪れます。

「もし自分があんな事を言わなければ・・・」自分を責め悲しみにくれる芽衣子。そんな彼女を再生させていったのは種田が残していった音楽に対する思いの数々とそして共通の大切な友人たち。芽衣子は種田の魂を受け継ぎその魂を自分の中に宿すかのように彼のギターを奏で歌い始めます。

冒頭から私は芽衣子に感情移入しちゃって物語にもグイグイ引き込まれてしまいました。別に芽衣子の生き方が自分の体験と重なったわけでもなくむしろ共通点はほとんどないくらいなんですけど、何故なんだか芽衣子にもう一人の自分の姿を観ているかのような気分になってきちゃったんですよね。特に薄暗い部屋の中で芽衣子が無気力にただテレビゲームしてるシーンにはドキッとしました。私も芽衣子のように仕事を辞めたらああいう生活をしてしまいそうな自信?(笑)があって、それでゲームの類いはなるべく遠ざけるようにもなったんですよね。

脚本、出演者、演出のどれもが見事に合わさってこの『ソラニン』の物語をスクリーン上に映し出していったように感じられます。ワンシーンワンシーンがとてもリアルな主人公たちの人生の一瞬一瞬として伝わってくるんですよね。まるで計算しつくしたかのような絶妙な構図の切り取り方、カメラワーク、そして時間の流れ方がとても良くて、それらが生み出す空気の中にいる主人公たち、種田と芽衣子、加藤にビリーにアイちゃんたちの繊細な心の機微、汗や涙、喜びや悲しみなどが温度差無しにストレートに伝わってくるんです。スクリーンの中の彼は本当に現在を生きる若者たちのようでした。

歌って決して上手い下手だけじゃないんですよね。荒削りであっても歌詞にこめられた思いや言葉では表現出来ない何かは伝わってきた時は心は激しく揺さぶられるのです。宮崎あおいさん演じる芽衣子の熱唱する歌はまさにそんな感じで、珍しくサントラが欲しくなっちゃいました。


青春度★★★★★