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グリーン・ゾーン『ボーン』シリーズのポール・グリーングラス監督×マット・デイモン主演というヒットメーカーコンビによるアクション・サスペンス・ムービーです。実は『ハート・ロッカー』の公開ちょっと前に両者の予告編を混同していたことがあったんですよね。どちらもイラクを舞台にした戦争映画で、さらにこちらも手持ちカメラの映像を駆使した作風らしいですね。

出演はその他に、ブレンダン・グリーソン、エイミー・ライアン、ハリド・アブダラ、ジェイソン・アイザックス、イガル・ノール

+++ちょいあらすじ
ロイ・ミラーが率いる部隊は大量破壊兵器の所在を追う極秘任務に就いていたが、上層部からの情報にもとづき捜索しても兵器開発の痕跡どころか全く見当違いの場所ばかりのように思われ情報の信憑性に疑問を抱きだす。そんなある日、フセイン派の幹部たちが集まっているという市民からの情報で現場を急襲し大量破壊兵器発見の手がかりになりそうな人物を拘束するがそこに突如現れた特殊部隊によって奪われてしまう・・・
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大量破壊兵器の保有を名目にイラクへ侵攻したアメリカ軍による対テロ戦争。しかし肝心の大量破壊兵器とやらは未だ発見されていません。そして今では戦争の大義名分がすっかり忘れ去られようとさえしています。この作品はそんな人々に大きな未解決の問題がある事を再び思い出させるように仮説から創作した真実を描いていたのかもしれません。

大量破壊兵器の捜索を担当するロイ・ミラーのMET隊は上層部からの情報通りに行動するも空振りばかりで大量破壊兵器は全く発見出来ず情報の信憑性に疑問を抱き始めます。そんな折り、イラク軍の大物幹部の手帳を入手したミラーはそれをきっかけにこの戦争の裏側に隠されたある真実にたどり着いてしまいます。

題材が題材だけに序盤からこの映画は社会派なのかそれともたんなる娯楽なのか、どう受けとめながら観るべきなのかを考えていたんですけど、フィクションである事は念頭におきつつもあえてこれは真実であり真相を暴露しているんだと思い込んで観るようにしたら、そこからどっぷりとハマりこんでしまいました。

この映画がたんなる娯楽としてだけで受けとめられないのは、主人公がアメリカ人の共感しやすい正義感の強い勇気あるアメリカ軍兵士である一方で、その対立軸となるのはアメリカ政府高官であり、物語がこの戦争がある陰謀によって起こされたものとして描いているからなんです。そしてうやむやにされてしまったような感のあるイラクでの対テロ戦争の根拠をあえてこういう形で描いたのは、やはり批判精神に基づいているからなのでしょう。あえて高い娯楽性を装うことで、現実社会における問題も鮮明になりより辛辣なメッセージになったようにも感じられます。・・・なんて深読みしすぎかもだけど。

しょせんはフィクションと片付けてしまうのもいいんですけど、それでも「イラクはイラク人の手で再興させる」という言葉だけはしっかりと心に留め置きたいと思います。


戦争度★★★☆