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マイ・ブラザージェイク・ギレンホールの出演作の公開が立て続けになるのもスゴイと思うのだけど、それよりもやっぱり予告編で目にしたトビー・マグワイアの変貌ぶりには驚かされました。この映画は2004年のデンマーク映画『ある愛の風景』をジム・シェリダン監督がリメイクした作品です。

出演はその他に、ナタリー・ポートマン、サム・シェパード、クリフトン・コリンズ・Jr、メア・ウィニンガム、テイラー・ギア、ベイリー・マディソン、キャリー・マリガン、パトリック・フリューガー、ジェニー・ウェイド、オミッド・アブタヒ、ナヴィド・ネガーバン、イーサン・サプリー、アーロン・シヴァー、レイ・プルーイット
監督:ジム・シェリダン

+++ちょいあらすじ
兵士としてアフガニスタンに派遣されている夫・サムの帰りを待つ妻のグレースと長女イギー次女のマギーの二人の娘。しかしある日突然サムの訃報が届き家族の状況は一変する。そんなグレースたちを傍で見ていたサムの弟で刑務所帰りのトミーは献身的にグレースたちとふれ合い支えようとする。そしてようやくグレースたちに笑顔が戻ってきたころサムが生きていたという報せが入り・・・
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心がヒリヒリする映画でした。これもある意味では戦争を描いた作品と言えると思いますけど、日常の中でのある家族の物語だけに戦場を舞台とした作品よりもずっと距離が近くて登場人物たちにも深く感情移入していけるだけに心に響くものも大きかったように思います。

銀行強盗の罪で長らく服役し出所したトミーを軍人である兄のサムが迎えます。しかし素行の悪かった両親から何かと疎まれサムの妻グレースもトミーを嫌っていました。ところが二度目のアフガン出兵でサムが戦死したとの報せが入り失意のどん底にあるグレースと娘のイジーとマギーの姿を見たトミーは彼女たちの支えになろうと献身的に尽くし心を打ち解けあっていきます。そしてようやく心の傷が癒え始めた頃、サムが生きていたという連絡があり再会するのですが、過酷な戦場での体験がサムを精神的に苦しめ家族の関係にも不穏な影をもたらしていくのです。

敵に命を狙われ仕方なかったとはいえ仲間を殺してしまったサムは帰還後も誰にも打ち明けられない事実に苦しみ苛まれ続けます。その一方で家族たちはというとトミーを嫌っていたはずのグレースや二人ね娘たちまでトミーと仲睦まじくしている姿を目の当たりにしてサムはグレースとトミーの関係を疑いだし、さらに自分を追い詰めるように精神を崩壊させていくのです。

この物語には三つの再生のドラマが描かれています。一つは夫を失ったグレースと二人の娘の家族の再生のドラマ。二つめは素行不良のサムに弟のトミーの再生のドラマ。そして三つめは戦場で心を激しく病んだサムの再生のドラマ。家族の中で厄介者だったトミーはサムの死をきっかけにその態度を変化させていきます。それは学生の頃から兄の妻であるグレースに好意を抱いていたからなのかもしれませんし、唯一自分を理解して自分にとってのヒーローである兄のためでもあったのでしょう。

サムが生還することは予めわかってましたし帰還してからがこのドラマの真髄なわけですけど、幸せな日常を取り戻していくサムとグレースたちにほんわかしていたところに冷たい空気がいきなり流れこんでくるように一変していくんですよね。トビー・マグワイアの迫真の演技には圧倒されるし、いつ惨劇が起こるのかとドキドキさせられましたよ。そしてクライマックスの庭先のシーンでは思わず「ダメーーー!」と叫びたくなってしまいました。

ジェイク・ギレンホールはやっぱりこういうキャラのほうがしっくりきますね。『プリンス・オブ・ペルシャ』はなんか変?ナタリー・ポートマンの普通の主婦役って初めて観たような気がしますが、劇中でも言われていた通りにとても美しい妻でしたね。

デンマーク映画のオリジナル版はたぶん未見だと思うのだけど、現実に行われているアフガニスタンでの対テロ戦争に置き換えられているだけに物語としての現実味はより増しているのかもしれません。


感動度★★★★☆