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告白湊かなえさんの原作小説はハードカバーで平積みされていた頃から気になっていたんですが、文庫本になったら買おうかなと保留。2009年の本屋大賞を受賞したときにやっぱり買ってしまおうかなと思ったんですけど、これを何とかやりすごしたら案の定映画化されることに。それなら映画を観た上でと思ったんですけど、先日文庫本が発売されたときに手にとってそのままレジに直行してしまいました。でも冒頭のほんの数ページを読むだけにとどめて映画での鑑賞に臨んでます。早く映画は観たいし続きも読みたくてしかたありませんでした(笑)。

+++ちょいあらすじ
終業式を迎えたとある中学校の1年B組の教室で担任の森口悠子が騒がしい生徒たちを前に語り始めたのは数ヶ月前にこの学校内のプールで遺体で発見された森口先生の娘・愛美の事件の真相だった。先生は娘は警察の言う事故死ではなくこのクラスの二人の生徒に殺されたと告白する・・・
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その辺のホラー映画なんかよりメチャメチャ恐い映画でした。今晩、寝付きが悪そう。夢でうなされたりしするかも?(怖)

原作に手をださずにいたもう一つの理由は内容がかなり陰鬱だという評判を耳にして読むのを躊躇ったというのもあるんですが、映画は予告編の印象からも中島監督らしいポップな味付けをしてくるんだろうと思っていたら全くとんでもないダークネスな作品に驚きました。R15+はだてじゃなかったです。

とある中学校の1年B組で担任の森口悠子が突然語りだすのは、自分の娘は事故死ではなくこのクラスの生徒に殺されたという告白でした。その長い告白の中で直接的な名前こそださないものの犯人が誰かは容易に特定出来るように先生は語りそしてそれを最後に教壇を降りてしまいます。その後、物語は翌年度に舞台を移し2年生に進級した事件の当事者、関係者たちの告白と森口先生の告白によって翻弄される姿を軸に描いていくのですが、実はその全てはあの1年生の終業式の日の森口先生の告白から始まった復讐だったのでした。

正直、内容にはあまり詳しく触れたくないのですが、それは言葉で語りにくいというのもあるんですけど、共感したり感情移入出来て楽しむようなものじゃないからなんですよね。鬱なドラマに心がざわざわすることはありますが、この作品はそれとも違って心を縛り付けるんですよね。それもがんじがらめに。頭や心がどう反応していいかわからないうちに凄まじい闇に閉ざされたような心の中を描く物語が突き進んでいくのです。映画上映終了後に高校生くらいの女の子たちが化粧室前で「この気分、どうやったら上がるの?」とかなりこの映画に凹まされたみたいでした。

中島哲也監督は原作に忠実に表現したのか、それともかなり脚色を加えているのか気になるところですが、主人公の一人、森口悠子先生による冒頭での長い長い独白は原作を見事に映像化してたと思います。というかあれは松たかこさんのさすがの演技力ですよね。回想シーンを交えつつも教室だけのシチュエーションで生徒たちを前にして松たかこさんが一人で長い長い告白を語り続けるんですが、たぶん時間にして30分くらいは語っていたんじゃないでしょうか。それが物凄いインパクトなんですよね。不気味なほどの緊張感に圧倒されながらもあまり踏み込みたくはないような物語の世界に引き込まれてしまいました。

たぶんこの作品は湊かなえさんの原作の持つ力が相当凄いのでしょうね。そしてそれを映画化した中島監督のセンスと力量も非凡で素晴らしいです。でもそれにはもちろん松たか子さん、木村佳乃さん、岡田将生くんらといった実力派の出演者たちに加えて、渡辺修哉、下村直樹、北原美月の重要な中学生役を演じた彼らの素晴らしい熱演があってこそで、この重苦しい物語が映画として強烈な負のパワーを放っているんだと思います。

これまで復讐劇といえば私の中ではパク・チャヌク監督の復讐三部作がダントツでしたけど、それらをあっけなく凌駕するようなモンスター級の作品でした。もう一度観てみたいけど躊躇いますね。とりあえず原作を読破しちゃいます。


復讐度★★★★★


<2010.11.26 追記>
『告白」/湊かなえ&映画『告白』再鑑賞』2010.6.18再鑑賞