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必死剣 鳥刺し藤沢周平作品の中でも特に期待する隠し剣シリーズ。映画化された隠し剣シリーズはどれも面白くて魅了されただけに公開されるのはかなり楽しみにしてました。不安材料といえば自宅気分でお喋りし通しのご年配のお客さんの存在です。どうか遭遇しませんように(願)。

出演はその他に、吉川晃司、戸田菜穂、村上淳、関めぐみ、山田キヌヲ、矢島健一、油井昌由樹、つまみ枝豆、俊藤光利、村杉蝉之介、瀧川鯉昇、田中聡元、石山雄大、生津徹、前田健、外波山文明、高橋和也、福田転球、木野花、小日向文世、岸部一徳

+++ちょいあらすじ
時は江戸時代。東北の海坂藩の物頭・兼見三佐ェ門は藩主・右京太夫の愛妾・連子を城中で刺し殺してしまう。それは連子が藩政を牛耳り悪政の元凶であることを憂いだ兼見三佐ェ門の覚悟の上での行いだった。しかし意外にも兼見への処分は寛大なもので斬首は免れ1年間の閉門とされる・・・
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油断してました。まさかこのシリーズであんなに血がドバドバと吹き出てくるシーンがあるなんて思っていなかったもんだからクライマックスでフリーズ状態。でも期待通りの藤沢周平原作の映画らしい味のある時代劇でしたね。エンタメ的な華美な演出は排除した日本茶のような渋さが味わいと言えそうな作品でした。

物語の舞台は東北の小藩の海坂藩。藩主の右京太夫の愛妾で側室の連子は藩政に何かと口をだして藩を牛耳っていました。藩の将来を案じた物頭の兼見三左ェ門は恒例の能の観劇後に連子を斬ってしまいます。それは斬首を覚悟をしての行動だったがくだされた処分は予想外に寛大なものでした。三左ェ門は一年間の閉門生活の後に放免され復職後は以前よりさらに重要な近習頭取の職を与えられます。

劇場予告編で使われていた映像でトヨエツと吉川晃司さんが刀を交えそうなシーンがあったのでてっきり吉川晃司さんが悪役なんだと思っていたんですけど、本編を観ているとそんな感じは全くなくて逆に苦しむ農民側に立ってバカ藩主を戒める善き人なのです。じゃあ藩主が悪役かといえばそうなんですけどボスキャラとしては小物で対決相手としては面白みに欠けるのです。こうなると悪役らしき人物がいないのが気になって、これはいったいどうなっていくのやらと思っていたら実はあの予告編はいい感じにミスリードを誘っていたのです。たしかに配役を考えれば納得なんですけど、私はそこまで全く気にしてなかったのでこれが意外な展開となるんですね。

クライマックス、吉川晃司さん演じるご別家・帯屋隼人正とトヨエツ演じる兼見三左ェ門の真剣勝負の一騎打ちは二人ともサイズが大きく風格もあるだけに迫力たっぷりで観応えがありましたね。あれこそ文字通りの鍔迫り合いと言うのでしょうか。特に吉川晃司さんの眼光の鋭さはただならぬ威圧感がありますし、トヨエツの演技もさすがです。しかも物語はこの大きなヤマ場を越えた後に真のクライマックスを迎えることになりそれはもう息を呑む壮絶なシーンの連続なのでした。まぁ、ちょっと引っ張り過ぎてる感はありますけど、あれも大事な見せ場なのでこの際よしとしときましょう。

劇中、ご別家・帯屋隼人正が兼見三左ェ門を見て「大きな男だな」と言うんですが、あなたも十分大きいと思います(笑)。時代劇には似合わなそうな背の高い関めぐみちゃんがキャスティングされたのもたぶん身長のバランスを考えてのことなのでしょうね。関めぐみちゃんはトヨエツと並んでもあまり見劣りしませんでしたし、障子の桟に頭ぶつけちゃうんじゃないかと心配しました。逆に池脇千鶴ちゃんは普通にしていても童顔なのに余計に幼く感じられて、姪だからどうこうというよりも違う意味で三左ェ門との絡みにいろんな点でドキドキしちゃいました(汗)。決して色っぽい女優さんじゃないのに彼女はこういうシーン多いですよね。

というわけで杞憂だった自宅気分のお喋りなお客さんにも遭遇することなくじっくりと鑑賞することが出来ました。


剣劇度★★★☆