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フローズンどこでだったか忘れましたけど劇場予告編を観てコレは絶対に観たいと思っていました。突然停止してしまったスキー場のリフトに置き去りにされてしまった男女3人の恐怖体験を描くシチュエーション・スリラー。つまりは『オープン・ウォーター』のスキー場版ってこと?

出演はその他に、ショーン・アシュモア、エマ・ベル、エド・アッカーマン、ケイン・ホッダー、ライリア・ヴァンダービルト

+++ちょいあらすじ
毎年恒例のスキーにやってきたジョーとダン、そしてダンの恋人パーカー。3人は最後の滑りを楽しもうと、もう終業だと言うリフト係の男に頼み込んでリフトに乗り込み山へと上った。ところがリフト係がわけあって別のスタッフに作業を引き継いだときのほんの勘違いからリフトは停止し、3人がまだリフト上にいることに誰も気付かないままスキー場は終業してしまう・・・
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この夏の猛暑をあっという間に冷やして心も身体も凍りづけにしてしまいそうな極寒の極限下でのシチュエーション・スリラー劇。低予算ながらもサスペンスフルに展開していく恐怖感溢れるストーリーに見事に引き込まれてしまいました。

着想からしてとてもシンプルなんです。『もしスキー場で停止したリフト上に置き去りにされてしまったら?』というたったそれだけの誰もが身近に感じられ想像もたやすいシチュエーションを出発点に想像を絶するようなifの世界での恐怖体験をリアルに描きだしていくのです。

親友のダンとジョーは毎年恒例になったスキーに来ていましたが、今年はダンの彼女パーカーも同行したためいつもとはちょっと調子の違う二人。というのもパーカーが初心者だったため思いっきり滑ることが出来ず特にジョーは不満が残り、話し合った3人はスキー場の終了間際に最後にもう一本滑って帰ることにするのですが、それが3人の運命を悲劇へと導いてしまうのです。

オールロケかどうかはわかりませんが、おそらくCGは一切使ってないと思われる演出がこの物語に見事な臨場感をもたらしていきます。もし自分だったら?なんて想像するのもイヤになる最悪の事態はまさに生死の境目。いや、もしかしたらその両足は既に死の領域に入っていたかもしれません。終業後の誰一人いない夜のスキー場で高さ十数メートルのリフト上に取り残されてしまったダン、ジョー。パーカー。しかもその日は日曜日でスキー場が次に営業するのが5日後の金曜日というが彼らさらに絶望的な状況へと追い込むのです。スキー場は屋外とはいえ孤立無援のこの状況は密室劇と言えそうですが、密室劇とは違う自然の脅威がさらに彼らを苦しめ絶望の淵へと追い込むのです。

最初に何も知らずに『オープン・ウォーター』を観たときにはあまりに希望の見いだせない不条理な悲劇さに作り手の悪趣味さが感じられてしまったのですが、今作の場合は主人公たちにハイリスクであるけれども僅か可能性が見いだせる運命の選択肢が残されているので、極めて限定されたシチュエーション下でありながらも彼らの決断と行動、そしてその結果がシンプルなストーリーをスリリングかつドラマチックに突き動かしていくのです。

彼らが生き抜くための選択肢は大きく分けて二つしかなかったと言えるでしょう。一つはこの状況を打開するために危険を覚悟でリフト上から脱出すること。もう一つは救援が来ることをひたすら願って何もしないこと。翌日もスキー場の営業日であれば当然彼らは一晩耐え抜くことを選択したでしょう。しかし次の営業が5日後という事実が彼らに究極の運命の選択を迫るのです。

極めて限定された舞台と僅かな登場人物たちで繰り広げられていくドラマって好きなんですよね。設定がシンプルなだけに派手な演出でのごまかしも出来にくくアイデアや脚本力という映画の基本的な要素で魅せようとするところに映画本来の魅力が感じられるのでした。


悲劇度★★★★