カラフル直木賞作家・森絵都さんのベストセラーの代表作です。今月の21日からアニメーション映画が公開になりますけど、初めて予告編を目にしたときはちょっとビックリしました。というのもこの原作は1998年に出版されて2000年にはKAT-TUNの田中聖くん主演で実写化もされていて旬というわけでもないのにどうして今頃になって?と思ったのでした。それで以前に小説を読んで感想をブログにアップしたことを思い出して探してみたら、見つかりません。アレ?どうしたんだろ?と思ったら、何とアップし忘れていたようでテキストがそのまま残ってました(ハハハ、汗)。

というわけでこの本はだいぶ前に読んでそのとき感想も書いたので、もしかしたら今読むと変な文章になってたりするかもしれませんが、修正せずにそのままアップします。
以前に薦められた事があった森絵都さんの『カラフル』です。コレッて既に映像化(TVドラマ化だっけ?)もされてます。でもそのamazonのレビューをよむと散々なんだけど何となく想像もついちゃいます。なのでそちらは別に観なくてもいいやって感じですけど。

+++ちょいあらすじ
いいかげんな天使が、一度死んだはずのぼくに言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」ありがたくも、他人の体にホームステイすることになるという。前世の記憶もないまま、借りものの体でぼくはさしてめでたくもない下界生活にまいもどり…気がつくと、ぼくは小林真だった・・・(「BOOK」データベースより)
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死んだ魂の「ぼく」は抽選に当たり下界で自殺した中学生・小林真の身体をもらい人生に再挑戦する機会を得ます。それは修行であり生前記憶を取り戻し自分の罪を自覚できれば成功だとガイド役の天使は言います。ファンタジーな世界から始まる物語だけど、これはファンタジーの衣を纏う事で内包される重苦しいテーマが優しく温かい肌触りに感じられます。若くして人生に躓き悲観した少年とその少年の人生を再スタートさせる「ぼく」。

オチはすぐに見えてしまったけど、逆にそれが感情の移入度を高めていくような感じになりました。友達もいなくて学校でも浮いている地味で暗い存在の真。その真の身体を借りた「ぼく」は真として家族や周囲の人と正面から向き合う事で真の置かれていた状況、真の苦悩や悲しみを理解し、真の人生を再生させていきます。

自殺をした真の身体を借りる「ぼく」の目線で描かれるのは「ぼく」自身と真の物語。「ぼく」が真の身体を借りながらホームステイすることで真や家族の姿を客観的に捉えていく行為は実は本人の気付かぬ間に他人の行動や気持ちをしっかりと受け止め思いやるということに繋がっていきます。誰にでも他人にはなかなか見せようとしない本当の気持ちを持っているもの。真の身体を借りた「ぼく」が第三者的に物事を見て、感じて、理解していくことで「ぼく」の心は再び大きく成長していくのでした。

家族や友人との関係で揺れ動く思春期の心を、他人の身体を借りた心の目線で描く物語はとても新鮮で刺激的でグイグイと引き込まれちゃいました。先が読めやすいところもあるんですけど基本的には青少年向けだと思うし、他者と向き合うことや自分自身を見つめる大切さを教えてくれる素敵な作品だと思います。