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怪談新耳袋 怪奇ツキモノBS-TBS (旧BS-i)で放送されていた「怪談新耳袋」の劇場版シリーズです。これがシリーズ何作目になるのかわかりませんけど2004年の『怪談新耳袋 劇場版』と2006年の『怪談新耳袋 ノブヒロさん』と観てきていますので、一応シリーズものはなるべく観続けるゾの精神にのっとって観に行ってきました。監督は『東京島』の篠崎誠さんです。

出演はその他に、坂田梨香子、鈴木かすみ、吉川友、北原沙弥香、伊沢磨紀、秋本奈緒美
監督:篠崎誠
特に下調べもせずに観に行ってしまいましたが、今作は『ツキモノ』と『ノゾミ』の2編で構成されてました。ちなみに2004年の『怪談新耳袋 劇場版』は8編で2006年の『怪談新耳袋 ノブヒロさん』は1編でした。

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『ツキモノ』

+++ちょいあらすじ
桐島あゆみはごく普通の大学生。大学へ向かうためバスに乗るが、その日はいつもと様子が違っていた。しゃっくりを繰り返し、ブツブツと呟き続け、震える女性が乗車してきた。その後、大学で仲間と合流し、授業が進む中、突然、窓外に、あの女が現れ、教室に侵入し、パニックに・・・(作品資料より)
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シンプルで何の捻りもないお話でしたが、その単純さがかえって恐さを感じる作品でした。突然現れた一人の不気味な女によって巻き込まれていく恐怖の渦。女が何者で何を意味ているのか全くわからないんですが、とりあえずタイトルから何かにとり憑かれていることは想像出来ます。

冒頭から胸がザワザワするようなイヤな感じで始まります。主人公あゆみが乗る大学に向かうバスに一人の女が乗車してきます。長い黒髪で顔が全て覆われたその女はしゃっくりと不気味なつぶやきを繰り返すのですが、こういう人ってごくたまに遭遇したりするし、突然の凶行に走りニュースになることもあって意外とリアルに恐かったです。

降車時に不安ながらも気になったあゆみが女性に「大丈夫ですか?」と尋ねると

「ミザル キカザル イワザル」
「セオエルノカ」

と女性は意味不明な言葉を発し恐くなったあゆみは慌ててバスを降りてしまいます。そしてその後、学校に突然現れたその女性によってあゆみのいた教室で惨劇が起きるのです。

「セオエルノカ」というのはたぶんとり憑いてる悪霊か何かのことかと思われますけど、何度も繰り返す「ミザル キカザル イワザル」が何の事やらさっぱりわかりません。前フリも後日談もまったくなしにただ恐ろしいモノが現れ襲われるというそれだけのことなんですが、この意味不明さが恐怖心を煽るのです。

バイオハザードIV』を観たばかりのせいか襲ってくる女性は悪霊というよりアンデッドぽくみえてしまいます。もっとも死んでいるも同然なら同じことかもしれませんね。あゆみを助けて悪霊にとり憑かれてしまった須藤さんが学生たちを次々と襲いだし、ついにあゆみにも迫ってくるのです。

最後にあゆみが言われた「偽善者」という言葉。たしかにそれはあゆみの本質を指摘してるのかもしれませんが、偽善も善だし、それを悪霊に言われる筋合いはないと思います(笑)。

ところであゆみと須藤さんが襲撃事件翌日に会話するシーンで後ろの自販機の飲み物が隠されて見えないようになっていたのは何故なんでしょう?スポンサーに配慮とかそういうわけでもなさそうで、あれじゃ飲み物選べないじゃんとかなり気になってしまいました(笑)。


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『ノゾミ』

+++ちょいあらすじ
藤沢めぐみは17歳の高校生。11歳の誕生日に、妹ののぞみが死んだのを自分のせいにしてしまい、苦しむ毎日を送っていた。そのため、唯一の家族である母との関係もうまくいっていない。そして、自分の誕生日が近づくにつれ、精神不安定になるめぐみは恐ろしい幻覚を見るように・・・(作品資料より)
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最初の『ツキモノ』がけっこうテンポが良く進むの対して、こちらはゆっくりめの展開でなかなか本題に入ってくれず間延びした印象を序盤から受けてしまいました。しかも二部作で主演女優が一緒ってどういうこと?二部作の全く別のお話なんだから配役変えればいいのにね。

母と二人暮らしのめぐみには妹ノゾミがいましたが、幼い頃に事故で亡くなっていてめぐみはそれを自分の責任だと思い高校生になった今も罪悪感に苛まれ自分の誕生日が近づくにつれ精神的に不安定になりノゾミの幻覚を見始め苦しめられます。

こちらはあんまり恐くなかったです。ストーリー的にもだいぶマイルドな内容でしたし。それでも一番ドキドキしたのは浴室のシーン。めぐみがおそるおそるバスタブの上蓋を外すシーンの緊張感に少しビビリました。でも、同時に思ったんですよね。そんな暗い中でやってないで灯りつければいいじゃんって(笑)

ここからネタバレになりますが、めぐみが何度も目撃する赤いカッパを着たノゾミが実はノゾミではなかったというオチなんですよね。あれだけ伏線を張って煽っておいて結局別人なら、じゃあいったい何者だったの?と思うわけですが、結局正体はハッキリしません。どうやら行きずりの霊らしいんです。

霊視をしてくれた信子さんがめぐみを怨んでいるのか?の尋ねてたしか霊は「○」と答えたと思うんですけど、ノゾミじゃないならどうしてめぐみを怨んでいたんでしょうね?それぐらい明かしてくれても良さそうに思うんだけど、すっかりはぐらかされてしまった感じです。

どうやらこの映画は多くのアイドルタレントが所属する芸能事務所の提携作品だったみたいで、私の全く知らない顔ばかりの出演者たちでしたけど、それがかえって好都合だったのかアイドル映画という先入観もなくビジュアル的にはホラー映画として成立する作品にはなっていたと思います。

出演者で唯一わかったのは秋本奈緒美さんだけでした(苦笑)。


恐怖度★★★