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ミックマック『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作です。『エイリアン4』の監督という紹介でもいいんですけど、本作品はSFではなく『アメリ』系のユーモラスなハートウォーミング・コメディみたいなので。過去作品、いずれも相性良い監督さんなのでとっても楽しみにしてました。

出演はその他に、オマール・シー、ドミニク・ピノン、ジュリー・フェリエ、ニコラ・マリエ、ヨランド・モロー、ジャン=ピエール・マリエール、ミシェル・クレマデ、マリー=ジュリー・ボー

+++ちょいあらすじ
レンタルビデオ店で働いていたバジルは店の外で起きた発砲事件に巻き込まれ頭部に銃弾を受けてしまう。幸い一命は取り留めたものの頭に弾丸が残ってしまったバジルは職を失いホームレス生活を余儀なくされる。街頭でパントマイムをして小銭を稼いでいた彼はある日ガラクタ修理屋のプラカールと出会い彼の住処に案内され・・・
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うーん、、、客席がもっと笑いに包まれていくような内容を期待してたんですけど、クスクスと小さな笑いがちょこちょこある程度でしたね。

『アメリ』のような寓話的なタッチで、主人公の男バジルが仲間たちと協力して二つの兵器会社に仕返しをしていく物語です。105分の尺の中で隙間なくいろいろな事が繰り広げられてはいくのですが、そのわりには単調に感じられてしまいました。トーンがずっと一緒なんですよね。ストーリーに起伏がなくてテンポに緩急もなく、映像もずっと同じものを繰り返し観ているような感じでドラマはちゃんと動いているのですが、引き込まれていく感覚が乏しくて次第に睡魔に襲われてしまいました。

タイトルの『ミックマック』は「イタズラ」という意味らしく、主人公のバジルは幼い頃に父を地雷で亡くし自身も仕事先で流れ弾に当たり頭の中に銃弾が残ったままになってしまい、たまたま見つけた地雷と銃弾の製造会社に復讐をしていくのです。実際には復讐という激しい感情をあらわにしたものではなく、仕返しのようなノリでだからこのタイトルなんでしょうけど、そんなノリとは裏腹に死者が出てもおかしくないようなハチャメチャなことをしてます(笑)。

どうも主人公のバジルがパントマイマーみたいなキャラ設定なのがノリの悪さになっているのかな?主人公サイドのセリフによってドラマが大きく転がるようなところがなくて、物語のコレという大きな道筋がハッキリしてきません。サイレント・ムービーのようにセリフがなくても何を描いているのかはちゃんとわかるんですけど、感情的な要素が薄くて映画的な高揚感が得られませんでした。『アメリ』も主人公のセリフは少なかったと思うんだけど、映像的な演出によって喜怒哀楽がとても豊かにファンタジックに描かれていましたよね。

映像はセットの造形なども含めてセンスが良くストーリーもちょっとシニカルでファンタジック。そしてキャラクターたちは個性的で作品の全体世界観も私好みなタイプでしたけど、そのわりには気持ちにピタっとはハマりませんでした。

反戦への思いがこめられたラストシーンはなかなか良かったんですけど、思うに戦争や復讐という本来重いはずの題材を軽く優しいタッチで描き過ぎたのかもしれませんね。それがジャン=ピエール・ジュネ監督流ともいえるんでしょうけど、こういうお話ならもっと毒気が欲しいところです。だって「イタズラ」って漢字だと「悪戯」って書くでしょ?やっぱり「悪戯」だったらドキドキ、ハラハラしたいんですよね。


悪戯度★★★☆