七瀬ふたたび原作が筒井康隆さんの作品の中でも『時かけ』と同様に特に有名でドラマ化も何度かされてきたというのは知っていたのですが、その原作も実写化された作品にもこれまで一度も触れたことがありませんでした。最近NHKで再度ドラマ化された時に観ようと思っていたんですけど初回を見逃してしまってそのままスルー。いずれDVDで観ようと思っていたら映画の公開が先になってしまいこれが私の初七瀬となりました。

出演はその他に、前田愛、ダンテ・カーヴァー、今井悠貴、河原雅彦、池田成志、大杉漣、平泉成、吉田栄作

+++ちょいあらすじ
他人の心を読むことができる超能力・テレパスを有する火田七瀬。そんな彼女たちに対し能力者の絶滅を目論み能力者狩りを行うある暗黒組織の魔の手が迫ってきていた。七瀬がひそかに愛していた予知能力者・岩淵了からの警告もあり七瀬と同じ能力者の仲間たちは来るべき組織との対決の日に備えていく・・・
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派手さはありません。だいぶ地味なくらい。でもそれも味わいとしてはなかなか良くてまぁまぁ楽しむ事が出来ました。あくまでもまぁまぁですけど(笑)。超能力の表現方法がオーソドックスというか古臭く思えるのですが、ワタシ的にはそれが懐かしくも感じられるところでもあり、子供の頃に夢中になっていたエスパーの世界の思い出が再び甦ってくるような感覚に陥りました。

人の心が読み取れてしまう「テレパス」の能力を有する火田七瀬のもとに「予知能力」を持つ岩淵了から携帯電話が届けられ、彼から超能力者たちに危機が迫っている事実を知らされます。ホテルにて彼の警告通り襲われた七瀬は藤子の「時間移動」にも助けられ自分たちの未来に立ちはだかろうとする陰謀に立ち向かう決意をするのです。

エスパー能力ってちょっと憧れるところが大人になった今でもあったりするし、子供の頃はテレビを真似てスプーン曲げに真剣に挑戦してみたものです。でもこの作品に登場する超能力者たちは幼い頃からその能力によって悩み苦しみ葛藤しながら成長してきた人々なのです。その特殊な能力は七瀬の人生においては負の側面が大きかったのかもしれません。通学電車の中では自分を卑猥な目で見ているたくさんの男性たちの心を読み取ってしまう毎日であり、それは恋愛においても同様で彼女は満足に男性と交際した経験もなかったのでしょう。

超能力と言えばいわゆる魔法使いのような夢のような能力を思いがちですけど、30数年も前の時代にこのような超能力の負の側面に着想を得た筒井康隆さんはやっぱりスゴイなぁとつくづく思うんですよね。

大まかなあらすじは何となく知ってましたし、難解なストーリーというわけでもないので物語にはすんなりと入っていけましたが、映画としてはやや観応えが物足りないかもしれません。原作未読でもこれはかなり端折ってるなァと受けとれてしまいました。本来なら超能力者たちの個々の能力や人物背景を深く掘り下げていけば自然と厚みや重みに繋がっていくんでしょうけど、そこまでのスケールを追求してる作品ではないんですよね。何となくその辺は最初から割り切って観てましたけど、原作シリーズをしっかり読んでみたくなりました。

それにしてもヘンリーはどうして七瀬の指示がなければ自らでは動けないんでしょうね?とか言っておきながら結局ラストのほうでは自分で能力を発揮してましたけど。それと本編前にプロローグとしての短編があったんですけどクレジットの監督の名前が中川翔子とありましたけど、出演もしていたあのしょこたん?わざわざのこの演出は必要だったのかな?


堪能度★★★