死刑台のエレベーターオリジナル作品は観たことないんですけど、有名なこのタイトルとフランス映画の名作ということくらいは知ってました。予告編の映像からは特にフランスな香りは感じませんでしたけど、何だか濃厚そうラブ・サスペンスなストーリーのようで楽しみにしてました。何でもリメイクされるのは世界初だそうで監督は『いつか読書する日』『のんちゃんのり弁』の緒方明さん。

出演はその他に、玉山鉄二、北川景子、平泉成、りょう、笹野高史、熊谷真実、田中哲司、堀部圭亮、町田マリー、上田耕一、津川雅彦、柄本明
監督:緒方明

+++ちょいあらすじ
業界大手の医療グループの社長夫人・手都芽衣子は傘下にある国際医療ボランティア機構の主任医師・時籐隆彦と愛人関係にあった。芽衣子は年の離れた年老いた夫を自殺に見せかけて殺害することを計画し時籐に実行させる。しかし犯行直後に時籐はエレベーターの中に閉じ込められてしまい芽衣子との約束の場所に現れず芽衣子は苛立ちを募らせていた・・・
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静かにジワジワとヒリヒリする緊張感が常に漂い続ける味わいのあるサスペンス・ドラマでした。オリジナルとのストーリーの違いがわかりませんけど、殺人事件としてはそう複雑なお話ではありませんでしたからそこは古典的と受けとめていいのかもしれませんね。

テトグループの会長の妻芽衣子と愛人関係にあった医師の時籐は芽衣子から夫を殺して自分を奪ってほしいと言われ実行します。その殺人計画そのものはたやすく成功したものの犯行道具を回収しに戻った時籐はビルの閉館と同時にエレベーター内に閉じ込められてしまいます。その一方で若い警察官の赤城と恋人の美加代は時籐の車を盗んで暴力団の組長の神とその情婦が乗る車を追っていました。

いわゆる痴情のもつれを発端にした殺人事件。その事件の過程でのちょっとしたミスから遭遇するトラブルによって別の男女が別の場所で殺人事件を起こすという負の連鎖が生じてしまうのです。

特にミステリアスな展開もなく箱根で起きた殺人事件もちょっとした手掛かりから初老の刑事によってすぐに解明されてしまうしそこから横浜での殺人事件の真相も導きだされてしまうのですが、この作品は事件性そのものを楽しむのではなくて、殺人事件を発端にして小さな金魚鉢の中で主人公たちの数奇な運命の糸がもつれ絡み合う様が醍醐味と言えるのでしょう。

ストーリーがシンプルなぶん演じている役者そのものは際だって感じられるそういう点での堪能度はなかなかかも。でも吉瀬さんにしては珍しく濃厚なキスシーンがなかったのは意外でした(笑)。


堪能度★★★