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十三人の刺客いま現在、日本でアクション映画を作らせたらおそらくこの監督がナンバーワンの三池崇史監督による時代劇エンターテインメント作品です。最初に劇場予告編を目にした時点でかなり面白そうだなぁと思ったのですが、なんでも1963年に公開された名作といわれる時代劇映画のリメイクなんだそうですね。出演者の顔ぶれもなかなか豪華なんですけど、その中で稲垣のゴローちゃんが悪役の暴君を演じるというのもかなり興味深いものがあってとても楽しみにしてました。

出演はその他に、沢村一樹、古田新太、高岡蒼甫、六角精児、波岡一喜、石垣佑磨、近藤公園、窪田正孝、伊原剛志、松方弘樹、吹石一恵、谷村美月、斎藤工、阿部進之介、内野聖陽、光石研、岸部一徳、平幹二朗、松本幸四郎、稲垣吾郎、市村正親

+++ちょいあらすじ
生来の残虐な性分で不条理な殺戮と非道な行為を繰り返す将軍の弟の暴君・松平斉韶。国の将来を案じた江戸幕府・老中の土井大炊は島田新左衛門に斉韶の暗殺を命じ、新左衛門のもとに志ある侍たちが終結する。しかし土井の動きをいち早く察知した斉韶の側近の鬼頭半兵衛が立ちはだかろうとする・・・
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これはスゴイ。スゴイなんてもんじゃないかも。超が付くほどのエンターテイメントな時代劇映画でした。もう度肝抜かれちゃいましたよ。壮絶な時代劇でした。観終えたあとどっと疲労感に包まれ頭がガンガンしてました。アクション映画の巨匠・三池監督だけにアクションは期待してましたけどその期待を軽々越えていく圧倒されまくりの作品でした。

1845年。将軍の腹違いの弟で明石藩主の松平斉韶は稀にみる凶悪な暴君で庶民に非道な行為を繰り返していました。やがては要職に就く斉韶に国の将来を案じた江戸幕府・老中の土井大炊は家臣の島田新左衛門に斉韶の暗殺を命じ新左衛門は十二人の精鋭の有志を率いて斉韶の大軍に挑むのです。

冒頭からいきなり切腹のシーンで始まって身構えちゃいましたけど、その後の両手足を斬り落とされた村娘の姿を観たときは信じられないくらいの衝撃を受けました。暴君の非道さを表すにはこれ以上ない描写で新左衛門と同じように暴君への怒りは早くも沸点に達します。こんな悪魔のような人間は早くやっつけてほしいと思うことで新左衛門たちの志やその行動に共感し感情移入していく土台が形成されていくのでしょう。この先に訪れるであろう物語の大きなヤマ場に対して期待と不安が入り交じりながら引き込まれていくのでした。

序盤から重苦しく緊張感が張りつめていきますが、この序盤ではさらに役所広司さん、平幹二朗さん、松本幸四郎さん、市村正親さんらの重鎮の役者たちによって描かれていくことで作品自体がとても格調高い空気感で包まれていくのです気付けばこの時点で心鷲掴みにされちゃってました。

十二人の仲間を集め決起した新左衛門たちは策を練ります。参勤交代で江戸から帰ってくる斉韶の一行に対し僅か十二人でいかにして斉韶の首をとるか。斉韶には側近に名参謀で新左衛門のかつての同門である鬼頭半兵衛がおり新左衛門たちの襲撃に対し厳重な警戒をしいてます。そこで新左衛門は斉韶に息子夫婦を殺され強い恨みを持つ木曽の牧野靭負の協力を得て斉韶らを宿場町の落合へと誘い込みそこを決戦の場とするのです。

新左衛門たちが宿場へと向かってからラストまでのストーリーはアクション映画にはありがりなやや大味な展開なのですが、旅の途中で仲間に加わる伊勢谷友介さん演じる山の男を含めた刺客たちの魅力と演じる俳優たちの味わいが上手くカバーし、要所ではしっかり締められることもあり序盤の勢いや重さは衰えることがなくこれから起こる出来事に大しての期待感、高揚感を増していきながら物語は最大の見せ場を迎えていきます。

物語のクライマックスは新左衛門たちが罠を仕掛けた宿場町での繰り広げられるおよそ三百人の斉韶の率いる武士たちに天下万民のために戦いを挑む十三人の刺客たちの文字通りの死闘です。もうその凄まじさはジェットコースタームービーといっても言いような怒濤な展開。はっきり言ってドラマを味わうどころじゃありません。とにかく斬って斬って斬りまくるは爆破するは燃やすはで、後から考えればツッコミどころも多々あるんですけど、そんなこと考えさせる暇を与えない力技で押し切ってしまうんですよね。

そして物語は最後に真のヤマ場と言える新左衛門と半兵衛のそれぞれの誇りを懸けた戦い経て幕を閉じていきます。役所広司さんと市村正親さんが演じるこの真剣勝負にはしびれました。それぞれの後ろには山田孝之さんとゴローちゃんが事の成り行きを見守っているという状況がそれをスクリーン越しに観ている私ともシンクロして緊張感は最大限に高まっていくのでした。

このブログでもよく書いてますけど、こういうお話は悪役が際立つほど主人公たちが輝くわけですが、まさかゴローちゃんの悪役がこれほどハマって抜群の存在感を放つとは予想外でした。この作品はゴローちゃんにとっては新境地の開眼となったのではないでしょうか。ゴローちゃんにはこの役で助演男優賞をあげたいくらい。

もうお腹いっぱいで食べられないって感じの映画でしたけど、機会があればおかわりしてみたいと思える作品でした。でもあの山の男のラストはかなり腑に落ちないんですけど(謎)。


活劇度★★★★☆


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