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義兄弟 SECRET REUNION映画は映画だ』のチャン・フン監督が韓国の元国家情報員と北朝鮮のスパイの交錯する運命のドラマと二人の間に芽生える絆を独特のユーモアを交えて描いたというアクション・ヒューマンドラマです。主演は『渇き』のソン・ガンホさんと『M(エム)』のカン・ドンウォンくん。

出演はその他に、チョン・グクァン、パク・ヒョックォン、チェ・ジョンウ、クォン・ボムテク、キム・グァンギュ、パク・スヨン
監督:チャン・フン

+++ちょいあらすじ
北朝鮮の工作員として韓国に潜入していたソン・ジウォンは指令を受けて影と呼ばれる暗殺者と共に金正日のはとこでありながら韓国へ亡命したキム・ソンハクを襲撃しに向かいます。しかしその計画は裏切り者によって国家情報部に密告されており国家情報員のイ・ハンギュが率いるチームが現場に駆けつけ激しい銃撃戦となってしまい・・・
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ワ〜イ、入場者特典で辛ラーメンをもらっちゃいました。基本的に辛いの苦手なんですけど、このラーメンは食べられるんですよ。好きなんですけど自分で買って食べるまではしないのでラッキー(嬉)。

で、この映画なんですけど面白かったです。この物語の空気感ってこれまであまり味わったことのないような独特な感じでした。人間味あふれるユーモアを巧みに織り交ぜながらアクション映画としてのエンターテイメント性と南北問題という社会性が絶妙にブレンドされて社会派でヒューマンな娯楽映画といったところでしょうか。

アクション映画としてスピード感あるカーチェイスやバイオレンスな展開も大きな見せ場になっていますが、作品としての一番の魅力は何と言っても主人公の元国家情報員のイ・ハンギュと北朝鮮の工作員のソン・ジウォンの二人の交錯する人間ドラマにあると言えるでしょう。そしてこの重苦しいだけのお話になりそうなところを楽しく魅せてくれるのはW主演のガンホさんとドンちゃんの素晴らしい演技とその人間的な魅力なんじゃないかと思うのです。

北朝鮮の工作員テスンによってもたらされた情報によって国家情報員は金正日のはとこでありながら亡命したキム・ソンハクを影と呼ばれる暗殺者が狙っていることを知り現場に急行しますが、既に家族もろとも殺され犯人との銃撃戦でハンギュは多くの部下を失ってしまいます。ジウォンはなんとかこの窮地を逃れますが、裏切り者扱いされてしまい北に家族を残していることから自首することも出来ません。一方のハンギュは作戦失敗の責任をとらされ南北融和の煽りも受けてリストラされてしまいます。そんな二人が6年後、再会するのです。

序盤から北朝鮮スパイによる粛正という血生臭い冷酷な展開から始まるお話なのですが物語そのものは主人公たちの血の通った人間らしい心の温かさで包まれていく心地よさが感じられるのです。再会した二人は相手が何者なのかは知っています。そしてお互い自分の正体は知られていないと思っています。このシチュエーションがなかなか絶妙なんですよね。同居生活する二人はお互いに常に危険と隣り合わせの状態であり緊張感を伴うのですが、その一方でお互いのことを探りあっていく家庭で人間としてのハンギュ、キジュン(ジウォン)を知ることになりそれが心のふれあいとなる強い絆をもたらしていくことになるのです。

仕事やお金が全てみたいなハンギュにとってキジュンは言わば名誉挽回して地位名声を得るための獲物みたいなものでした。しかしキジュンの人間性に触れていくことで実は非情なのは自分だったことにハンギュは気付くのです。家庭を顧みなかったことで妻に離婚され愛する娘とも離ればなれになってしまったハンギュ。しかし同様に家族と離ればなれのキジュンはもっと過酷な状況にあることを思い知らされたハンギュをキジュンのためにある決心をするのでした。ハンギュがキジュンの正体を知っていることをあえて告白して兄弟としての絆を深めるシーンにはグッときちゃいました。当然目頭にも涙がジワジワ、ウルウル状態。

「お互いを知る」それから劇中で何度も出てきた「人間的」というセリフ。私が思うにこの二つのキーワードがチャン・フン監督がこの作品にこめた南北問題への大きなメッセージだったんじゃないでしょうか。特に核兵器の開発や軍事的な挑発をたびたび繰り返してくる北に対しては「人間的」な行動こそが最も大切だと訴えているようにも思えるのです。このブログでたびたび書いてることですけど、南北問題は韓国にしか描くことの出来ない特殊な題材でこれまでにいろいろな作品を観てきましたが、この作品が描く南北のドラマは新たな関係を模索し始めた現代社会での南北の姿や人々の気持ちを反映した新時代のドラマなのかもしれませんね。

壮絶なクライマックスを経て悲しい結末で幕を閉じるのかと思いきやあのラストシーンで得られた安堵感には未来への大きな希望も感じ取れて、とても心地よい気分で劇場を後にすることが出来ました。


兄弟度★★★★☆