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裁判長!ここは懲役4年でどうすか私は全く知らなかったのですが、コミック化やドラマ化もされている北尾トロさんの同名ベストセラーを映画化した作品なんだそうです。たまたま目に留まった映画紹介文を読んでみたら何だか面白そうで観てみたくなりました。裁判の傍聴という何だか堅そうな題材ですが、社会派の法廷コメディなんだそうです。監督は、『ソフトボーイ』の豊島圭介さんです。

出演はその他に、螢雪次朗、村上航、尾上寛之、鈴木砂羽、木村了、堀部圭亮、斎藤工、徳永えり、大石吾朗、前田健、廣川三憲、佐藤真弓、阿曽山大噴火、日村勇紀、竹財輝之助、杉作J太郎、千葉雅子、市川しんぺー、モト冬樹、平田満

+++ちょいあらすじ
三流ライターの南波タモツはある日突然映画プロデューサーに呼び出され、裁判員制度が始まり裁判の舞台で様々なドラマが繰り広げられていくであろうからそれを見据えて愛と感動をよぶ裁判映画の脚本を執筆するように依頼され、取材のために裁判の傍聴に行くように指示される。しかし、南波が初めて足を踏み入れた法廷で目にしたのは映画で観るような格好のいい世界ではなかった・・・
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被告人にとってはその人生を大きく左右することになる厳粛な(はずの)法廷のシーンで笑ってしまうのはとても不謹慎なことかもしれませんが、でも堪えることも出来ずに思いきり笑ってしまいました。これはなかなか面白い社会派コメディーでした。

しがない放送作家の南波タモツはある日、映画プロデューサーに呼び出され裁判を題材にした脚本を書くように言われ、取材のために裁判の傍聴に通い始めます。劇中で南波は西村、谷川、長田という3人の傍聴マニアと知り合いますが傍聴マニアの存在は『それでもボクはやってない』の劇中でもちょこっと触れていましたね。そういえばたしか千原Jr.さんも以前に好きでハマっていたと話していたことがありました。裁判劇というのはワンシチュエーションの舞台で繰り広げられる会話劇の一種ですから、私はけっこう好きなんですけど、この作品がとても目新しいのは主人公は裁判や事件の関係者ではなくただの傍聴人だという点なのです。

傍聴人というあくまでも第三者である彼らはそれぞれの目的や趣向で裁判を傍聴していますが、法廷という場で浮き彫りにされていく人間の本質というのは関係者でもない無責任な立場からすれば時にはとても滑稽に感じられてしまうものなのかもしれませんし、性犯罪事件を専門に傍聴されるマニアも存在するらしいですから、興味本位で惹かれていく側面も多分にあるのでしょう。

物語はいくつかの裁判ケースを小話的に繋いでいきながら、法廷という舞台とそこに登場する被告人、裁判官、裁判員、検事、弁護人、遺族や関係者、そして傍聴人らそれぞれの姿や役割を描いていきますが、いずれもみな人間であるという事が様々なドラマを生み出していると言えるでしょう。

そして南波は裁判を傍聴していく過程で裁判官も検事もやはり人であるがゆえに傍聴人の存在を少なからず意識していることを知るのですが美人の鬼検事・長谷部真理から人の人生がかかっている裁判を興味本位で楽しむなと叱責されひどく落ち込んでしまい裁判の傍聴からも遠のいてしまいます。そんな南波を案じた西村は傍聴人だって裁判に何か寄与出来るかもしれないと連続放火事件の被告人となった息子の無実を訴え続ける母親とその裁判に協力することを提案し西村たち傍聴マニアの長年に渡る傍聴経験を武器に4人は無罪判決を導きだそうと奮闘します。

人を裁くという厳粛な空間でありながら、そこでつまびらかにされていく人間ドラマはとても非日常的でそれこそ小説よりも奇なりな出来事ばかりだけに、あまりのギャップの大きさについ笑ってしまうのかもしれませんね。それは決して人の不幸を笑ってるわけじゃないんですけど、自分の身の周りでは考えられないような呆れた犯行とその犯人の姿にはただ笑うしかなかったりするのかもしれません。

この作品では死刑判決を問うような深刻な場面は出てきませんので、裁判の世界を全て網羅しているとは言えませんし、当然ながらとても笑ってなんかいられない事件を扱う法廷もあるでしょう。実際、劇中では痴漢事件の法廷で検事・長谷部真理に追求される日村被告に南波が自分を重ねてしまい苦悩する姿が描かれています。ただこの作品はあくまでも傍聴人に焦点を当てていますので、裁判の傍聴に興じる主人公の姿を通じて疑似体験をしていくというアプローチでいいと思うんですよね。

人生で一度くらいは裁判を実際に傍聴してみてもいいかなと観賞後ふとそんなことを考えてしまいました。


裁判度★★★☆