ブログネタ
日本映画3 に参加中!
毎日かあさん次々と映画化されていく西原理恵子さんの原作ですが、まさにこれが本命中の本命ともいえるんじゃないでしょうか。既にアニメーション化されている西原理恵子さんの代表作がキョン×2&永瀬正敏さんというカリスマコンビの元夫婦が夫婦役を演じて実写化したというのはお二人のファンとしてはたんなる話題作りでは片付けられるものではありません。原作はギャグ漫画的な要素が盛りだくさんですが、本作は西原理恵子さんの元夫である故・鴨志田穣さんの自伝小説『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』と同じエピソードを西原理恵子さんの視点で綴る家族の物語なんだそうです。

出演はその他に、矢部光祐、小西舞優、正司照枝、古田新太、大森南朋、田畑智子、光石研、鈴木砂羽、柴田理恵、北斗晶、安藤玉恵、遠山景織子
監督: 小林聖太郎

+++ちょいあらすじ
息子のブンジと娘フミの二人の子供を育てる漫画家のサイバラリエコは仕事や子育てに追われる忙しい日々を持ち前のバイタリティーで乗り切っている。今朝もブンジを起こそうとすると姿がなく探すとリビングのヒーターの前で何やらモゾモゾ。ブンジはオネショしたのにヒーターのせいでビショビショになったと言い訳するがリエコは自身の幼少体験から子供は叱らず褒めてのばすをモットーにしてるためのその怒りを自分にぶつけて発散させる・・・
+++

とても素敵な家族の物語でした。これまで西原作品を映画化してきた中では一番好きかも。でもそれは他が劣っているという意味ではなくて、これまで西原さんが自身の体験をモチーフにした物語に触れてきた積み重ねの上でこの作品を観ているからと言えるでしょう。西原作品に詳しいわけじゃないですけど、西原さんの漫画の世界観と西原さんご自身の人生観みたいなものが、この作品はしっかりととらえ描いていたように感じられました。

前半は原作漫画のように西原理恵子さんと息子ブンジくんと娘フミちゃんとのてんやわんやな日常エピソードを面白可笑しく描いていきます。恥も外聞も無くありのまま、本音を発散させていく西原ワールドに客席が何度も笑い声がおきました。海外へ行ったら勧められた食事は何でも食べてみるといい西原さんの虫も食べちゃうエピソードは初めて知りましたけどさすがにブンジくんの蝶汁は危険です。あれは西原さんでもさすがに止めるんですね(笑)。そして後半に向かうにつれ夫・鴨志田さんのアルコール依存症によって起こる問題によって物語はシリアスさを帯びていくのです。

作風としてはどちらかと言えば軽いタッチなのに深い味わいを感じさせる笑いと涙に包まれる感動作なのです。事実はとても深刻で重苦しさだってあるはずなのにそれをくるんだ上での幸福感が伝わってくるのは、あくまでもこれが西原家の日常のドラマであり家族の温かさに満ちた物語だからなのでしょう。ラストシーンには胸が痛く切なく締め付けられてしまうのですが、それでも後味は楽しかった印象が勝ってとても心地良い時間を振り返るのです。

それにしても小泉今日子サン、さすがです。お母さんというイメージは全くない小泉さんですけど、西原さんの等身大にも思える自然体の肝っ玉母さんぶりはあまりに見事であっという間にに魅了されちゃいました。永瀬さんとの元夫婦なんて現実的なことは観ていて全く考えることもなかったです。そんな事はこの作品を前にしたらとてもちっぽけでくだらなく思えるほど、二人はこの物語の西原さんと鴨志田さんという夫婦を、母と父に同化してそのものになりきっていました。

それ物語るように映し出されるのがエンドロールの最後を飾る西原さん、鴨志田さんご本人の2ショット写真なんです。最後の最後に駄目押しのように胸を熱くさせてくれるこの写真を観ずに席を立ってはいけません。


家族度★★★★☆