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第3章:アスラン王と魔法の島ナルニア国物語の中でも特に冒険度が高くて私も大好きな第3章『朝びらき丸東の海へ』です。原作ファンであればきっとこの邦題に納得出来ない人は多いんじゃないでしょうか。どうせ原題とも違うんだったらいっそのこと『朝びらき丸東の海へ』のままでいいんじゃないかと思うんですけど、きっとこれに決定した人はさほど思い入れがないんでしょうね。新海誠監督の『秒速5センチメートル』の図書室の場面でも本棚にこの本があるくらいなのにィ。だいたいこの邦題って微妙にネタバレしちゃってるような?何故か2Dは吹替版での上映しかないので仕方なく3Dでの鑑賞です。

出演はその他に、ゲイリー・スウィート、スキャンダー・ケインズ、ウィル・ポールター、ジョージー・ヘンリー、ビル・ナイ
監督: マイケル・アプテッド

+++ちょいあらすじ
戦争の足音が近づく中、ペべンシー家の両親はスーザンを伴いアメリカへ渡りその間エドマンドとルーシーは意地悪な従兄弟ユースチスの家に預けられ暮らしていた。ある日、3人が部屋に壁にかけてあった大海原に浮かぶ船の絵を眺めていたところ突然その絵が動きだし絵から溢れ出した大波であっという間に3人は海の中へと吸い込まれてしまう・・・
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だいぶ大味な味付けになっちゃいましたけど、それはそれとしてなかなか面白かったです。それにしても原作にかなり手を入れたんですね。一応だいたいの大筋は踏まえてはいるものの印象としては別物で違うお話なっちゃってます。そのおかげで楽しめた部分も多いですんけど実は直前に原作をリリーディングしてたので、合わせ技で堪能出来たという感じでしょうか。

そもそも原作は小学生高学年からを対象にした純粋な児童文学ですから、本で読むぶんにいいんですけど、そのまま映画にしちゃうといまどきの感覚では娯楽としての刺激が足りないと思います。だから映画版はいろいろ工夫しないと難しいんじゃないかなと思っていたら、実際は予想以上にかなり脚色を施されていたというわけです。

物語の基本的な要素は原作とだいたい同じなんですけど、構成がだいぶ違うので展開も必然的に変わっています。さらに原作にはアスランの七つの剣なんて出てこないし、白い魔女も名前が出て来るだけです。暗やみ島の話はありますけど人さらいとは全く無関係で生け贄のエピソードもありません。

そもそもカスピアンたちは行方知れずのままの亡き父の友である七卿を探して誰も知らない未知の東の海を行くという時間的にも長い旅のお話なんですけど、ダイナミックな構成になったぶん流れとしてはかなりざっくりとした印象になってます。だいたい呪いを解いて生け贄にされた人たちを救うことが主目的となってしまった時点で原作と別物といわざるをえないんですよね。結末も原作と同じようなシチュエーションで迎えましたけどそこまでお話の流れが違うのでリーピチープのあの決断もなんだか唐突に感じられることでしょう。

おそらくこれは原作のルーシー、エドマンド、ユースチスらの心理を含む繊細な描写は潔くバッサリ割愛しちゃって見た目の面白さを優先したということなのでしょう。たしかに原作に忠実に作ってしまうと派手なドラマがないので映像的にはだいぶ地味になるんですよね。もちろん両者兼ね備えてれば言うことなしなんですけど、どっちにしてもこの大幅なアレンジは仕方ないところでしょう。

ドラゴンになったユースチスを最後のほうまで引っ張ってましたけどあれは本来は前半で解決するエピソードで巨大海蛇に襲われるエピソードも前半ですけどこの二つは関係のない別のシークエンスなんです。劇中では巨大海蛇はエドマンドの恐怖から誕生してましたけど(何故かマシュマロンの登場を期待してしまった(笑))原作では普通に海にいる生物です。でもこの後のシリーズを考えたときこの演出は上手く考えたなァと思うんですよね。この第3章では第1章でのエドマンドがそうだったように、捻くれ者のユースチスがこの冒険で成長し、リーピチープとも絆を結ぶのが醍醐味で、さらに続編では今度はユースチスが主人公となるので、この3章でさらに見せ場を作り活躍させて観る人に印象づけるいうのはかなり重要なポイントになると思うんですよね。ちなみラストでユースチスを訪ねてきたジル・ポールという女の子も主要人物となるんです。これも映画ならではの味付けですね。

そんなわけでナルニアファンとしてはいろいろツッコミどころはありつつも本を読み心の中で想像していた世界が美しい映像となってこの目で観られるというのはやっぱり楽しいもので、特にあの朝びらき丸の美しく勇壮な姿には感動しちゃいましたしエンドロールの原作と同じ挿絵もナルニアファンとしては感激です。でも3Dにはそれらしき効果はやっぱり感じなかったですね。そして第3章でこうも苦労が伺えるとさらに地味な展開になっていく今後のシリーズが不安になってきました(苦笑)。


冒険度★★★☆