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岳 -ガク-東宝のお姫さま映画です(笑)。コケるわけにはいかないからでしょうか、テレビでのプロモーション活動がここ最近目立ってましたね。何故か食べてばかりいる長澤まさみさんでしたけど、彼女がバッサリとショートカットにしたこの映画の役作りだったんですね。石塚真一さんの原作コミックを『ヒートアイランド』の片山修監督が映画化した日本アルプスを舞台に、山岳救助ボランティアとして登山者の命を守る青年と仲間たちの姿を描いた物語です。

出演はその他に、佐々木蔵之介、石田卓也、矢柴俊博、やべきょうすけ、浜田学、鈴之助、尾上寛之、波岡一喜、森廉、ベンガル、宇梶剛士、小林海人、光石研、中越典子、石黒賢、市毛良枝、渡部篤郎
監督:片山修

+++ちょいあらすじ
世界の巨峰を登り歩き誰よりも山を愛する男・島崎三歩は北アルプス山系で山岳救助ボランティアとして登山者たちの命を守っていた。この春、その北アルプス山系を管轄する長野県警山岳救助隊に配属された配属された椎名久美は隊長の野田正人から山そのものの男として紹介された三歩に出会い、たくさんの遭難死に接しながらもいつも明るく朗らかな彼の生き方に驚かされつつ影響され成長していく・・・
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見た目は良くも悪くもアイドル映画風なんですけど、物語そのものは綺麗ごとじゃない重くて過酷なテーマを内包をしているんですね。なかなか観応えがあってやや骨太と言っても良さそうな内容の作品でした。

物語は新人の女性山岳救助隊員の椎名久美が山の申し子、山そのもの言われる島崎三歩に山における遭難者救助のありとあらゆる事を学び辛い体験も乗り越えながら成長していく姿を描いていくのですが、主演する二人のイメージからして単純にドラマ的に盛り上がる感動の救出劇を想像してましたけど、これが意外にもシビアな現実を細かに突きつけてくるところにはちょっと驚かされるのでした。救助者の背中で息絶えてしまう遭難者の存在なんて今まで考えたこともなかったですし、救急医療現場のトリアージにも似た判断が山の遭難現場での救助者たちにも求められるなんて思いもしませんでした。

北アルプスの山々を舞台にしてるだけあってさすがにスケール感の大きい作品に仕上がってました。『海猿』などと同様にこういう大自然とそこでの生命を懸けた人間たちを描く物語というのは生半可な演出や小手先の芝居ではすぐにボロが出るんじゃないかと思うのだけど、小栗旬くんと長澤まさみさん二人の気概が感じられる熱のこもった演技にはちょっと圧倒されるものがありましたね。リアルかどうかは別としてもそういう心意気が伝わる作品というのはしっかり形になるもので引き込まれていきました。

予告編の印象から主人公は小栗旬くん演じる島崎三歩だと思ってましたけど、実際に観ると長澤まさみさん演じる椎名久美のほうに比重があるようなお話でしたね。原作コミックもこんな感じなのかな?読んだことはないのですが、表紙画の雰囲気からも三歩が主人公の物語のように思っていてそれはもちろん間違いではないんだけど、この劇中では三歩の人物像ってほとんど野田隊長の解説で済まされていたような気がします(笑)。一方、久美のほうは長野県警の山岳救助隊に配属されてからの成長や亡き父とのエピソードが描かれていくので感情移入もしやすかったですね。そもそも三歩は普段は何の仕事をして生計をたてているんだろ?山岳ガイド?

毎年必ずと言っていいほど登山での遭難者のニュースを見聞きしますけど、遭難事故の現場では山岳救助隊の人たちが文字通り命懸けの救出・捜索活動を行っているんですよね。助けられる命と助けられない命。助ける側の命も1つしかない以上、引き返すことも留まることも勇気なんだと思います。考えてみればヒーローが超人的な活躍をしての生還劇なんてことがそうそうありえないことで容赦ない自然の脅威を前にしたら人間などとても小さな存在に過ぎないのかもしれません。だからこそ人間は自然に対して謙虚な気持ちでいるべきなのでしょう。

ところで渡部篤郎さん演じる昴ヘリコプターのパイロットの牧さんが地味だけど渋くて格好良かったですね。それと、石黒賢さんって『ホワイトアウト』でも遭難してませんでしたっけ?


山岳度★★★☆