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ロスト・アイズパンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロが製作を務め本国スペインでは大ヒットを記録したというダーク・ホラー・ムービーです。角膜移植絡みのホラー映画というとヒットしたタイ製のホラー映画『the EYE 【アイ】』をすぐに思い出しますけど、あらすじを読んでみると似てるようで似てないお話みたいな。ギレルモ・デル・トロの名前も監督作品でなければ『永遠のこどもたち』を別にしてその神通力もイマイチのような気がしちゃうんですけど、スペイン映画好きですし主演はその『永遠のこどもたち』や『海を飛ぶ夢』のベレン・ルエダということで観てみることにしました。

出演はその他に、パブロ・デルキ、フランセスク・オレーリャ、ジョアン・ダルマウ、ボリス・ルイス、フリア・グティエレス・カバ
監督: ギリェム・モラレス

+++ちょいあらすじ
姉のサラが自宅地下室で自殺した姿を夫イサクと共に発見してしまった妹フリア。警察の捜査でも事件性はないと断定されるが姉の自殺に疑問を抱いたフリアは独自に調べ始め姉には恋人がいたらしいことをつきとめる。しかしその姿を見た者は誰もおらずフリアは姉の足跡をたどり姉の死の真相を探ろうと行動する・・・
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勝手な思い込みでてっきり心霊ホラーな悪霊系のお話なのかと思っていたんですけど、サイコ・サスペンス・スリラーだったんですね。

物語としては特に魅力を感じるものではなかったんですけど、謎の男の存在が意図的なのか失敗なのかわかりませんが、あまりに謎過ぎるゆえの不可解な状況と混迷から苛立ちを覚え始めます。しかしそれが終盤に向かうにつれ恐怖感へと変化していきます。ストーリーそのものはやや退屈だったりしてあまり面白みを感じられないのですが、佳境に突入してからのインパクトはかなり強烈なものがありました。ある意味これは怒濤の帳尻合わせと言えるのかも(笑)。

ホラーの先入観が少しは影響しちゃったのかもしれませんが、とにかく終盤に近づくまでは謎だらけで皆目見当もつかない奇々怪々な状況が続くのです。そのうえ真相に導く手掛かりになるようなヒントも乏しくてさっぱりわけがわからない状況に陥ってしまうのです。

犯人が誰なのかはもちろん、何の目的で、何の理由で、どんな方法で人が殺されていくのか、それらしき伏線もあえて見せなかったのは、もしかしたら盲目になる主人公フリアの心理状態を観客に味わあせる狙いだったのでしょうか?とにかく物語が行けど進めどなかなか先の展開が見えてこなくてどんどん深い暗闇に包まれていくのです。

そしてフリアが角膜の移植手術をして、入院を勧める主治医に対して不自然かつ強引に家に帰りたいと言う辺りからようやく物語は核心に迫り始め大きく動きだすのです。さすがにあんな風にイヴァンの顔を映すのを避けていたら不自然過ぎますよね。さも隣人が怪しいようにミスリードを誘うもお話がややこしくなるだけ(笑)。

さすがに謎の男がその正体を現してからのほうがサスペンス度はドーンと高まります。この男の異常さや狂気性がそれまでの物語の雰囲気を一変させましたね。さらに序盤に名前が出たきりだった隣人の娘リアが意外な形でドラマに参加してきたことも大きかったかも。

ぶっちゃけツッコミどころは多いですよ。特に目が見えないフリアの行動が意外と自由で都合良すぎるのはかなり気になって仕方ありませんでした。センターの視覚障害者にいたってはまるでグライアイの魔女(bayタイタンの戦い)みたいで何か悪意を感じます。何の根拠もなくたぶん名前だけ出てきたお婆さんの息子なんだろうなと思っていたらやっぱりその通りでしたし、イサクの件といいイヴァンといいリアもそうでしたけど、この脚本は大雑把過ぎるんですよね。

考えてみれば、序盤での姉サラの自殺を遠く離れた双児のフリアが姉の異変として察知するあのエピソードがこの作品のクオリティを象徴していたのかもしれません。つまり物語の重要な柱となっている視覚障害や数々の謎の事件もディテールに深みがなくて安直な発想留まりなんですよね。フリアのイサクとの思い出話や瞳の中の宇宙とかとってつけたようなどうでもいいエピソードでしかないのです。

そんなこんなでありながらも、観応えのある終盤の展開は何が幸いしたのかよくわかりませんが奇跡的といえるでしょう。お相撲で言えば土俵際のうっちゃり技みたいなものでしょうか。決して劇的な逆転ホームランではありません(笑)。


恐怖度★★