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スーパーエイト劇場予告編を目にするたびに似たようなお話をその昔見聞きしたことがあるような感覚になっていたんですけど、それは監督のJ・J・エイブラムスが製作を務めるスティーブン・スピルバーグの過去の大ヒットSF映画へのオマージュをこめているからなのでしょうか?映像にしても最初に目にしたときから何故か懐かしさを感じてしまうほどでした。子供時代をスピルバーグ作品を夢中で観て楽しんで育った私の映画DNAがこの作品と自然に反応してしまったのかも?

出演はその他に、エル・ファニング、カイル・チャンドラー、ライリー・グリフィス、ライアン・リー、ガブリエル・バッソ、ザック・ミルズ、ロン・エルダード
監督:J・J・エイブラムス

+++ちょいあらすじ
1979年の夏、アメリカのオハイオ州に鉄鋼業の盛んなある小さな町で1年ほど前に事故で母を亡くした少年ジョーは保安官代理の父ジャックと二人で暮らしていた。ある夜、ジョーは家を抜け出し仲間たちと落ち合うと貨物車用の駅舎へと向かい、そこで8ミリ映画の撮影を始めた。暫くすると貨物列車が通過するが、その直後、列車は自動車と衝突し大事故に巻き込まれたジョーたちは大慌てで逃げ出すが、そこに残したカメラが米軍が隠すある重大な秘密を撮影していた・・・
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これは私にとっては珠玉のノスタルジック・ムービーでした。まるで子供の頃にタイムスリップしたような感覚に陥ってしまいました。もう何もかもが懐かしく愛おしく感じられる素晴らしい空気感に満たされる物語です。

それはたんに古典的な手法によるものだからというわけではありません。この映画にはスピルバーグ作品へのオマージュとリスペクトが全編に渡ってこめられていて、その深くて強い愛情が作品の大きな魅力となり心に響いてくるのです。

物語の舞台は1979年のオハイオ州。そうです、ファンスであれば知っているでしょう、スピルバーグの故郷です。そして主人公は8ミリカメラで仲間たちと映画撮影を楽しむ少年ジョー。そうです、それはまさにスピルバーグの少年時代の姿なんですね。子供たちがバイクで疾走する姿はあの『E.T.』の名場面を彷彿させますよね。事故後に起きる不可解な現象を市民が保安官に訴える会合の場面は『JAWS』にも似たようなシーンがありました。街並とか小道具とか劇中のいろんなものが数々の名作映画を思い出させてくれるのです。ソニーのウォークマンってこの時代だったんですね。

誰もが心踊らせ夢中になったスピルバーグの世界。それは圧倒的な創造力で未知の世界をスクリーンに映し出すだけではなく、そこに家族愛や親子の絆、仲間たちの友情、甘く切ない初恋、子供たちの成長など、創造的な物語を描きながらもそこに普遍的な人間社会のテーマが大きな柱となって物語を貫くから、多くの人々が感動を得たのでしょう。

この物語にとってあの謎の生命体の存在は実はさほど重要ではなかったのかもしれません。なかなかその姿を全て見せないあの何者かはもちろん気になるとこですけど、でもそれよりも何より重要なのが主人公の少年ジョーの心の変遷と成長なのです。

事故で大好きなお母さんを失ったジョーにとって親友チャールズたちとの映画作りはその悲しみを忘れることが出来る貴重な時間でした。でも保安官代理の父ジャックは快く思わず理解を示してくれません。そんなある日、チャールズが女優として連れてきたアリスにジョーは次第に恋心を抱きアリスもまたジョーに惹かれていきますが、母の事故死のある真相が二人の前に立ちはだかるのです。

まるで『スタンド・バイ・ミー』や『小さな恋のメロディ』のような胸キュンなエピソードがこのSFストーリーの中で紡がれてかれていくことによって感情移入が深まり、虚構であるはずの世界が日常の中に突然巻き起こった非日常のようにより身近に現実味のある物語として感じられてくるのでしょう。そうなると米軍がひた隠しにしていた秘密や謎の生命体の存在など全てにおいてのリアリティが高まってくることで、クライマックスでのジョーと謎の生命体のシーンにも感情が溢れ出し、理屈は不要のファンタジックなラストシーンが見事な昇華をみせるのでしょう。あの瞬間、何が起きたかよくわかりません。目にしたものが全てです。そして間違いなく言えるのはジョーはようやくあの時、母の死による深い喪失感から立ち直ったに違いありません。

スピルバーグ監督の黄金期を知らない人にはやっぱり古くさい映画のように感じられるのかもしれませんけど、リアルタイム世代の私にとっては心のシンクロ率が極めて高い、自分の居場所、原点を見つめているようなそんな映画でした。

エンドロールで流れるチャールズ監督のゾンビ映画はなかなかの力作でしたね。『SOMEWHERE』にも出演していたアリス役のエル・ファニングちゃんの演技はお見事です。


満足度★★★★☆


<TOHO CINEMAS One Month Free Passport 21>

<2011.7.1追記>
『SUPER 8/スーパーエイト』再鑑賞2011.7.1