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ヒマラヤ 運命の山私は山登りはしませんが山好き登山好きの母からいろいろ話を訊かされてるうちに山岳映画好きになってたみたいです(笑)。ま、疑似体験が楽しめるのも映画の魅力の一つですからね。1970年、多くの登山家たちを魅了しそして多くの命を奪ってきた標高8,125メートルのナンガ・パルバート峰でルパール壁の初登頂に成功した登山家・ラインホルト・メスナーの実体験を基に描かれる冒険の物語です。

出演はその他に、アンドレアス・トビアス、カール・マルコヴィクス、シュテフェン・シュローダー、ユール・ロンステット、レナ・シュトルツェ、セバスティアン・ベッツェル、フォルカー・ブルッフ、ミヒャエル・クランツ、マルクス・クロイヤー、ロレンツォ・ヴァルヒャー、マティアス・ハービッヒ
監督:ヨゼフ・フィルスマイアー

+++ちょいあらすじ
ヒマラヤ山脈の山頂にある標高8125mのナンガ・パルバート峰。そこには世界最大の標高差を誇るルパール壁があり多くの登山家を魅了しまた多くの命を奪っていた。ラインホルト・メスナーと弟ギュンターの兄弟はその山を登頂することを幼い頃から夢見て育ち、そして1970年、ヘルリヒコッファー博士率いるドイツ遠征隊のメンバーとなってついに初登頂への一歩を踏み出そうとしていた・・・
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これは生還劇を描いた実話に基づく伝記映画です。でもそれは成功秘話よりも悲劇に重きをおいたドラマと言えるでしょう。感動系のお話かと思っていましたが、自然の恐さをまざまざと見せつけられてしまいました。自然を舐めてはいけませんね。なのにそれでも人はあの壮大な自然に挑みたくなる。「何故山に登るのか?」と尋ねられたら「そこに山があるから」と答える以外にないのかもしれません。劇中の「何故絵を描くのか?」の例えが私にはとても共感しやすかったです。

ナンガ・パルバート峰の最も難関とされ多くの挑戦者を幾度も跳ね返してルパール壁。その世界初の登攀を目指すドイツ遠征隊の中にラインホルト・メスナーと弟ギュンターがいました。彼ら遠征隊の登頂は成功します。しかしギュンターただ一人が還らぬ人となってしまいました。物語は遠征隊隊長のカールがある講演でラインホルトの行動を強く批判しているところにラインホルト本人が現れその登攀と生還の軌跡の真実を語る形で描かれていきます。

アイガー北壁』もそうでしたけど、初登頂を競っての野心が渦巻く世界になってしまうんです。隊長のカールは言わばプロデューサー、監督の立場でベースキャンプで指揮をとり二組が登頂に挑むのです。チームでありながらも二組はライバル関係にもあるのです。さらに登頂を果たす役割とそれをサポートする役割も状況によって必要となりそれぞれの立場が複雑に絡み合うのです。とにかく功績が欲しいしかしリスクは負いたくない隊長カール。単独でも絶対に初登頂を成功させたいラインホルト。いつも兄の後ろ姿を追うばかりでいつかは勝ちたいと願う弟ギュンター。そんな彼らの心理は険しい極限下で冷静な判断を失わせ悲劇を招いてしまうことにもなるのです。

本物だけが放つ力はやっぱりスゴイですね。説得力が全く違います。私が『127時間』に世間の高評価ほど乗れなかったのもたぶんそこに理由があるんですよね。人間の力がちっぽけに感じられる巨大な自然を舞台にする物語だからこそ創り物であっても自然への畏敬の念を大切にしてこそ、その自然と対峙する人々のドラマが生きてくるように思います。でもこの手の山岳映画はリアルに創ろうとすればするほど、代わり映えしない景色とただ登るだけで変化に乏しいドラマが単調に感じられてしまうのが難しいところだと思います。この作品は史実に忠実のように感じましたがただ忠実さを求め過ぎても今度は映画として面白味に欠けるとこがり、実際このドラマもそういう印象は否めませんでした。それでも本物の大自然ならではの圧倒的なスケールによって主人公たちがその運命を呑み込まれていく姿はどてもダイナミックにスリリング映し出されていたと思います。

山に登りたいという気持ちはわかります。映し出される風景の美しさを目の当たりにすれば魅せられてしまうことでしょう。でもこういう作品を何度観てもあんな生命の危険を冒してまで登ろうする人の気持ちは理解出来ないんですよね。私なんてスキー場に行くだけでかなりの冒険なのです(笑)。さすがに昔と違って今は十分な準備をした上で登るんでしょうけど、それでもちょっとした油断や判断ミスが悲劇を生みますよね。山を愛する皆さん、どうかご無事でありますように。


山岳度★★★☆