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ステキな金縛りいったい誰がどう動いてどうコーディネートしたらこんな豪華なキャスティングが実現するんでしょうか?三谷幸喜さん十八番の十八番、ビッグネーム大量投入型群像喜劇。監督5作品目となる本作は『ザ・マジックアワー』ですっかり三谷さんのお気に入りなったみたいな深津絵里さんを主演とする法廷劇コメディーです。今にして思えばJRAのコマーシャルでみせいて珍妙なやりとりも前フリだったんですね。とりあえずふかっちゃんが何役も演らずに済んだようで何よりでした(笑)。

出演はその他に、竹内結子、浅野忠信、草なぎ剛、中井貴一、市村正親、小日向文世、小林隆、KAN、木下隆行、山本亘、山本耕史、戸田恵子、浅野和之、生瀬勝久、梶原善、阿南健治、近藤芳正、佐藤浩市、深田恭子、篠原涼子、唐沢寿明
監督:三谷幸喜

+++ちょいあらすじ
失敗続きで崖っぷち状態の弁護士・宝生エミは上司の速水からこれが最後のチャンスだと言われ、とある殺人事件の被告の弁護を任される。それは妻を殺した罪に問われた夫・矢部五郎の裁判だったが、矢部は無実でアリバイもあると主張する。矢部は事件当時の夜、死に場所を探して落ち武者の里にあるしかばね荘の一室に滞在しそこで金縛りに遭い動けずにいたのだという・・・
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三谷監督、やりましたネ!笑いと涙に包まれる素晴らしい法廷喜劇でした。お見事ですっ。

脚本、演出、キャストと見事にバッチリ決まった会心の作品だったんじゃないでしょうか。こんな風にたくさんのお客さんで埋まった客席から笑いが巻き起こり気持ち良い一体感を得られたのも久々のことで楽しかったです。三谷さんもよく口にしてるように本当に楽しい喜劇映画は劇場で観るに限ります。笑いの相乗効果は侮れません。

三谷作品にしては珍しく屋外ロケの多かったですね。その反面三谷さんも好きな長回しがほとんどなかったように思いますが、何でも法廷劇ではどうしても長回しは難しくカット割りが細かくせざるをえなかったそうです。でもその巧妙なのか長尺な作品ですけど、とても小気味良い軽快なテンポで数字ほどの長さは感じませんでした。

冒頭からコミカルさは抜群のキレ味で面白いんですけど私のハートをガッチリ掴んだのは小佐野検事と他界したラブ君との再会のくだりです。ここで涙腺が一気に緩んで涙すると感情移入の度合いも高まっていったのでした。そっかぁ、霊界にはネアンデルタール人からいっぱいいるんですね。霊界人口ってどれくらいなんでしょうね?(笑)。

これは三谷幸喜さんの生誕50周年(でしたっけ?)にふさわしい集大成とも言える作品なんじゃないでしょうか。わかりやすい伏線がたくさん張り巡らされているので何となく大まかな展開は見えてはくるんですけど、それが脚本、演出に施される意外な仕掛けや巧みな味付けによって二転三転と気持ち良く物語が転がっていくのです。

例えば、中井貴一さんが演じる検事の小佐野徹にも実は幽霊が見えるとか、小日向文世さんが演じる霊界の役人・段田譲治が突然現れるとか、宝生エミの法律事務所の上司・速水悠に思わぬ出来事が起こるとか何となく予想出来るストーリーに意外性のある大きなアクセントが随所に潜り込まれることで物語は大きくドラマチックに動いていくのです。

思えば、竹内結子さんが二役で演じる日野風子と矢部鈴子の姉妹が入れ替わっているのも証人として本人を呼んでくれば手っ取り早いことも私は早くから気付いていて、どうしてそこに触れないんだろうと焦れったくもなったんですけど、宝生エミがその2点を結びつけて殺人事件の真相を紐解いていくくだりは謎解きとしてとっても爽快な気分でした。六兵衛さんが霊界に鈴子を呼びに行くも何故かみつからない。そうですよね、見つかるわけないですよね。鈴子はそこにはいないのですから。この時点では私もすっかり忘れていた事実だけに目から鱗の展開でした。

ラストにエミが草なぎ君が演じるお父さんと再会出来るであろうことはお父さんが亡くなっているとわかった時点で決定的でしたけど、それはぜひともそうあってほしい結末だったので待ち遠しい気持ちでした。さらに言うと裁判を成功させたエミには幽霊が見えなくなることも予感出来たのですが、姿が見えなくなり直接の会話も不可能になったことであのハーモニカを介してのエミとお父さんとのやりとりがとても優しく温かくファンタジックに感じられてよりいっそう感動出来たように思います。もちろん私は涙ポロポロ状態でした(感)。

スゴク期待していましたけどその期待を遥かに越えてくれた作品でしたね。おなかいっぱい大満足です。

佐藤浩市さんの役が案の定『ザ・マジックアワー』と同じ村田大樹役にニンマリです。フランク・キャプラ監督の作品は一つも観たことがなかったのでとりあえず『スミス都へ行く』『素晴らしき哉、人生!』はいずれ取り組むに宿題にしようと思います。

ところで竹内結子さんは映画デビュー作の『リング』でもいきなり死んじゃう役でしたけど、そのあとの『黄泉がえり』『天国の本屋〜恋火』『いま、会いにゆきます』でも序盤から亡くなってしまうという役なんですよね。そういえば『クローズド・ノート』も微妙に近いですし、これは何かの巡り合わせなんでしょうか?(笑)。


満足度★★★★★