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インモータルズ -神々の戦い-落下の王国』のターセム・シン監督が『300<スリーハンドレッド>』のジャンニ・ヌナリとマーク・キャントンの製作陣とタッグを組んだギリシア神話を題材にして描くアクション・スペクタクル作品です。あの短い予告編だけでもその映像美には魅せられるものがあってスゴク楽しみにしてました。基本的には先ず2D字幕版を重視したい私ですが、この作品は予告編を見比べてみて3D版のほうがかなり良さそうに思えました。

出演はその他に、ミッキー・ローク、ジョン・ハート、スティーヴン・ドーフ、フリーダ・ピント、イザベル・ルーカス、ルーク・エヴァンス、ケラン・ラッツ、ダニエル・シャーマン、ジョセフ・モーガン、ロバート・メイレット、スティーヴ・バイヤーズ、コリー・セヴィエール、マーク・マーゴリス、スティーヴン・マクハティ、アラン・ヴァン・スプラング、ピーター・ステッビングス、ロマーノ・オルザリ、グレッグ・ブリック
監督:ターセム・シン

+++ちょいあらすじ
神々の頂点に君臨するオリンポスの全能の神ゼウスは人類の平和と繁栄を願い地上の世界を見守っていたが、世界支配をたくらむ邪悪な王ハイペリオンが現れ人々を不安に陥れていた。ゼウスはその野望を阻止するために地上で自ら鍛え上げていた人間のテセウスを選び彼に人類の運命を託すのだった・・・
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トリハダ、トリハダ(凄)。ギリシャ神話好きの私にはたまらない珠極の作品でした。大スペクタルな神話絵巻に大満足です。上映終了後すぐに二度目をいつ観に行こうかと考えてしまいました。

ギリシャ侵略を目論む邪悪な王ハイペリオンはかつてオリンポスの神々たちとの戦いに敗れ封印されたタイタン族を解き放つために伝説のユピロスの弓を捜し求め殺戮を繰り返していました。神々は人間たちの戦いに関与しない掟がありましたが、神々の頂点に君臨するゼウスは地上界でひそかに農夫の青年テセウスに鍛練をほどこし来るべき日に備えさせていたのです。そしてついにハイペリオンの侵略が始まり最愛の母を殺されたテセウスは自身も知らない数奇な運命に導かれるようにしてハイペリオンとの戦いに立ち向かっていくのです。

見せ場はいろいろありますけど、先ずはターセム・シン監督の映像美、あのセンスは秀逸ですね。冒頭のシーンなんて一瞬クリムトの世界かと思うほど魅せられてしまいましたもん。本当に神話の世界を体験しているかのような素晴らしい臨場感でした。ギリシャ神話モノ作品もこれまでいろいろ観てきましたけど、映像センスではダントツと言っていい出来栄えでしたね。そしてスペクタクルで手に汗握る数々のアクションシーンにはすっかり目が釘付け状態に。テセウスのユピロスの弓を巡っての攻防も凄かったですけど、やっぱり金の装飾をまとった神々が降臨するシーンがテンション急激に上がるんですよね。

ギリシャ神話に登場する英雄は神の子ゆえの非凡な能力を有してたりしますが、このテセウスの場合はどうなんでしょうね?ギリシャ神話に登場するテセウスと言えばポセイドンの息子でアテナイの英雄なんですが大英博物館に所蔵される「ミノタウロスを殺すセデス」の画がラストシーンに登場するテセウスが牛男を殺す石像と構図が一緒なので、たぶんモチーフにしてるんだと思いますけど、そこまで詳しくないのでよくわかりません。劇中でテセウスは「母が村人たちにレイプされて生まれた・・・」というセリフがあって人間の子という設定に思えますが、これは真偽の定かではない話でたぶん神との間に出来た子なんじゃないかなぁ?と思うんですけど。

それにしてもあのゼウス、映画史の中でも抜群に渋くて格好良かった。演じているルーク・エヴァンスは『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』で三銃士の一人アラミスを演じていましたけどゼウスのほうが断然カッコイイですね。それとポセイドンってわりとオッサン系が多いと思うんだけど、なんと『トワイライト・サーガ』でエメット・カレンを演じるケラン・ラッツが演じていてなかなかハンサムガイなポセイドンでした(笑)。

欲を言えばタイタン族にもっとインパクトと存在感があればヨカッタのにね。あれではちょっと小物でつまらないし、せっかく登場してきた神々があんな捨てキャラにやられちゃうのも何だかしのびなかったです。ま、悪役の美味しいところはミッキー・ロークが演じるハイペリオンの独り占めなので仕方ないとこですけどミッキー・ロークはある意味天然モンスターですね(笑)。


神話度★★★★☆