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タイム1予告編を観ていかにもこれぞSFという設定だなァと思っていたら『ガタカ』で監督デビューを飾ったアンドリュー・ニコル監督の最新作でした。なるほどォ、ワクワク。ここ最近公開される映画の中では一番多く予告編映像を目にしている映画じゃないかと思います。上映館数も多そうですね?余命が通貨として使われるようになり貧富の格差が人間の生命そのものを支配する社会で一人の青年がその世界のシステムの謎を暴き戦いを挑んでいくSF・アクション・サスペンスな物語です。

出演はその他に、アマンダ・セイフライド、キリアン・マーフィ、オリヴィア・ワイルド
監督:アンドリュー・ニコル

+++ちょいあらすじ
科学技術の進化により人類は遺伝子操作がなされ全ての人間の成長は25歳で止まる。その後は1年の余命が与えられ左腕に埋め込まれたボディ・クロックがその時間を刻み始める。その時間は通貨として用いられごく一部の富裕層はほぼ永遠の命と言える時間を手にしていたがスラムゾーンで暮らす多くの貧困層の人々は余命23時間というギリギリの生活を強いられていた・・・
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これは期待以上に面白かったですね。観終えてすぐによく出来てるなァと感心しちゃいました。荒唐無稽とも言えるこの世界観をごちゃごちゃと理屈を並べ立てることもなく、ほとんど疑問を抱かせることもなくリアルに成立させてしまい自然に引き込まれてしまうんですよね。それは先ず脚本の巧さにあるとと思うんだけど、さすがは『ガタカ』『トゥルーマン・ショー』アンドリュー・ニコル監督ですっと言っておきましょう。

遺伝子操作によって人類は25歳を過ぎると成長を停止しそれから1年の余命を与えられます。その時間は通貨となり貧しい人々は少しでも長く生き抜くために重労働に励んで時間を稼ぎます。男たちの中にはタイムバトルという賭けのような手段で他人から時間を入手したり、または強盗のように他人から時間を奪う者も現れました。一方、一部の富裕層は富裕者だけが暮らすゾーンで不死と言えるほどの多くの時間を持ち優雅な生活を送っていました。

主人公のウィル・サラスは貧民街のスラムゾーンで母レイチェルと暮らす青年です。ある日酒場で富裕層の暮らすニューグリニッチから来たと思われるヘンリー・ハミルトンと出会います。彼は1世紀ほどの時間を持っていたことからギャングに狙われウィルが助けるのですが、不死である人生に苦しむヘンリーはウィルが寝ている間にほぼ全ての時間を譲り渡して自ら死を選んでしまいます。目覚めてその事を知ったウィルは驚きますが、眠りにつく直前にヘンリーが口にしたこの社会の不条理なシステムを知ったウィルはスラムゾーンを出てニューグリニッチへと向かうのです。

命が時間によって数値化されそして通貨化によってより大きな価値として貧富の格差を生み出す社会。その裏側には富める者は常に勝者であり貧しい者は敗者となり続ける社会システムが存在しているのです。ごく一部の富裕層だけが大きな富を手にしそのために多くの人々が搾取され続けているこのifの世界は現実社会の鏡、究極的な未来の社会像だと言えるでしょう。

自分の生命が具体的な時間として数値化されることで自分の持つ人生の時間にこんなにも重みを感じることになるなんて、すごく斬新な視点なんですよね。時間なんて無限にあるもので「消費」していることなんてほとんど意識することなく生活しています。貧しい者たちにとっては時間はとても貴重ゆえに自然と早歩きになってしまう。一方、富める者にとっては時間は無限にあり走り出す者など皆無。単純な描写ですけどこれが両者の立場の大きな違いを物語っているんですよね。

生命に関してもいつか終わりがくることは理解していても現実的に考えるのはまだまだずっと先のことだと思っています。でもその時間と生命が大きな価値として結びつくことでその重要さを痛切なに思い知らされるのがこの物語なんですね。

大量の時間を入手したウィルは時間監視局の目に留まることになり局員レオンたちによって追われる身となってしまいます。成り行きで大富豪ワイスの娘シルビアを人質にして逃走したウィルは貧困層の人々が不条理な社会システムによって富裕者層に搾取され理不尽な目に遭わされているという現実を目の当たりにしてこの現状を打破しようと考えます。そのウィルに当初は不信を抱いていたシルビアも次第に共感し始めそして恋に落ちていきます。

後半、ウィルとシルビアが貧困層の人々のために行動していくという流れは予想するまでもありませんが、まるで銀行強盗のようにローン会社を襲撃する姿はまるで『俺たちに明日はない』のボニー&クライドで、そして奪った(というより取り返したと言うほうが正しいかもですね)時間を再分配するズバリねずみ小僧でしょうか(笑)。二人には生命の時間が限定されているという点では『俺たちに明日はない』とかかっているのかなァと思うんですけど、それは飛躍しすぎかな?

スラムゾーンに戻ってからの時間監視局員レオンとギャングのフォーティスたちとの攻防を繰り広げるウィルとシルビアにはさらにタイムリミットというピンチも加わって、特に終盤の展開はハラハラドキドキ緊張感ありましたね。アクションたっぷりのスピード感あふれるドラマに思わず観ているこっちも力が入ってしまいました。

アマンダ・セイフライドはキャラ的にもちょっとイメージがこれまでとは違う感じでしたが、こういうの彼女もいいと思います。リュック・ベッソンが好みそうな雰囲気でしたね。主演のジャスティン・ティンバーレイクは『ソーシャル・ネットワーク』でもなかなか印象的でしたけど、本作はさらに魅力倍増、アクションもなかなかいけるようで今後の活躍が期待出来そうで楽しみです。


時間度★★★★☆