ブログネタ
日本映画3 に参加中!
僕達急行 A列車で行こうまさかこんなにも早く森田芳光監督の遺作を目にすることになるなんて思いもしませんでした。森田芳光監督は大林宣彦監督と並んでまだ子供だった私に邦画の魅力を教えてくれた大きな影響を与えてくださった監督の一人です。何かの巡り会わせなんでしょうか?亡くなる直前に特に大好きな『家族ゲーム』や『(ハル)』を再鑑賞していたばかりで訃報には驚きました。私にとって必ずしも相性の良かった監督ではないんですけど、若者が主人公の作品はお気に入りが多いです、特に今作はご自身も鉄道オタクだった森田芳光監督のオリジナル脚本、そして原点とも言える得意のコメディ作品ということで楽しみにしてました。

出演はその他に、貫地谷しほり、ピエール瀧、村川絵梨、星野知子、伊東ゆかり、菅原大吉、三上市朗、松平千里、ジュン、デイビット矢野、笹野高史、伊武雅刀、西岡徳馬、松坂慶子、伊藤克信
監督:森田芳光

+++ちょいあらすじ
のぞみ地所に勤める営業マンの小町圭とコダマ鉄工所の二代目の小玉健太はお互い鉄道をこよなく愛する者同士。たまたま同じ車両に乗り合わせたのをきっかけに意気投合した二人はすっかり仲良しになる。それぞれ趣味とする鉄道への拘り方は違うもののお互いに尊敬しあえるのだった。やがて小町は九州支社へと転勤することになり・・・
+++

あー面白かったァ。期待していた以上に楽しかったです。森田芳光監督が得意とするユルコメな優しくて温かい人情喜劇でしたね。これが遺作となってしまったことがつくづく惜しまれます。

本格的な鉄道ファンがこの映画を観てどういう感想を持つのか、森田監督の鉄道に対する造詣度をどう評価するのか私にはわかりませんが、生粋の映画好きの立場から言わせてもらえば、この作品は映画がとても大好きで鉄道もまた大好きでそして何より人間が好きな監督でなければ撮れないでしょう。それほどの思い入れと並々ならぬ愛情が伝わってくる物語でした。出来れば『寅さん』みたいにシリーズ化したかったという話も耳にしましたが、その思いとてもよくわかります。趣味の世界にのめりこむという点で強く共感出来たのかもしれません。

たしかに森田芳光監督の遺作ということでより感情が高ぶっていたのもありますけど、それ以前に鉄道ファンではない私でも親しみが感じられるところがたくさん多かったのがとても大きいです。その要因としてまず私も実際に目にしたことのある風景がいくつかあって私にとってプチご当地映画でした。大森辺り?の車両基地?や京浜急行とか日常の風景ですし、博多にも何度か遊びに行っているので「あの地下鉄乗ったことあるッ」と親しみが沸くのです。他にも意外と知ってる路線や電車の名前や地名が多く出てくるので物語に自然とどっぷり引き込まれていきました。

思うに、おそらく鉄道マニア度を適度にマニアックに適度に敷居を低くして緩急をバランスよくつけているのがいいんでしょうね。鉄道ファンとしての拘りをしっかり描くことで主人公の小町と小玉の人物像を際立たせながら、彼らを描く目線を優しく親しみやすくすることでいい意味で特殊ではない日常のドラマが映し出され自然と感情移入してしまうのでしょう。社長のセリフにもありましたけどディテールが素晴らしいのです。

ちょいちょいいろんなところで細かいギミックや小ネタを仕掛けてるのも楽しかったですね。ちっちゃい小技がいちいち面白くていっぱい笑えましたよ。伊東ゆかりさんが演じる大空ふらのの後ろで流れる『小指の想い出』には爆笑しちゃいました。そういえば、登場人物の名前は小町圭、小玉健太、相馬あずさ、日向みどり、日向いなほ、大空ふらの、大空あやめ、ユーカリ、アクティとどうやらみなさん鉄道関連に由来しているみたいですね。そういう拘り大好きです。そして森田芳光監督の記念すべき長編デビュー作『の・ようなもの』の主演・伊藤克信さんの登場に思わず涙腺が緩んでしまいました。

「ありがとう、森田芳光監督。」思い出深い数々の映画を作ってくださり本当にありがとうございました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

ところで、どうして小町はお掃除ロボットのルンバを2つ持っていたのでしょう?(笑)。


喜劇度★★★★★