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私が、生きる肌ボルベール〈帰郷〉』ら女性賛歌3部作を手がけたスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督がアントニオ・バンデラスとエレナ・アナヤを主演に迎え狂気に満ちた形成外科医の男とその生け贄となってしまったヒロインの姿を描く官能サスペンス・ドラマです。

出演はその他に、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス、ジャン・コルネット、ロベルト・アラモ、ブランカ・スアレス、スシ・サンチェス
監督:ペドロ・アルモドバル

+++ちょいあらすじ
監禁された部屋で肌色のタイツを着て一人瞑想にふける美しい女性。ベラという名の彼女は天才的な形成外科医であるロベルが開発した人工皮膚によってロベルの亡き妻ガルの姿に創りあげられようとしていた。しかしある日のこと。使用人ママリアの息子で強盗犯のセカがロベルの屋敷を訪れベラの存在を知ると彼女を襲いだし・・・
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これはとても観応えのあるサスペンスフルなドラマでしたの。狂気に充ちていく濃厚濃密な愛憎劇にすっかり魅せられてしまいました。前衛的でセンセーショナルな作品でした。

天才的な形成外科医のロベルはかつて不遇な事故て大火傷を負った妻ガルを亡くしていました。そして今、屋敷に監禁するベラという女性を禁断の医療技術を用いて亡き妻そっくりの姿へと手術を施していたのです。ロベルが何故そのような行為に及んでいるのか?そしてベラが何者でロベルとはいったいどんな関係にあるのか?物語は予期せぬ事件をきっかけにしてミステリアスな二人の数奇な運命と真相を浮かび上がらせていきます。

スペイン映画ってイタリア映画よりも美男美女が多いなって印象を受けるんですけど、ベラを演じた女優・エレナ・アナヤは美しかったですね。肌がきめ細かくて綺麗なことったら。この作品にとってあの肌の美しさは生命線でもあっただけに見事なキャスティングでした。またビセンテ役もなかなかのイケメンでしたけどノルマ(彼女も美少女でした)と並んだときに背が小さいのが意外だったのですが、それがまさかまさかの大きな鍵になっていたなんて衝撃的でした。アントニオ・バンデラスってくどくて苦手な俳優さんだったんですけど、このディープで毒々しい作品にはそのくどさがバッチリとハマってましたね。

ベラはいったい誰でどうしてロベルに監禁され手術されるに至ったのかがこのドラマの核心部分なんですが、その大きな動機となっているのがロベルと妻ガルと夫婦愛というよりは6年前に妻の忘れ形見でもある娘ノルマの身に起きてしまった不幸な出来事に起因していたというのはあまりに意外過ぎる事実で物語にどっぷり引き込まれてしまいました。

正直に言えばロベルの復讐としての行為が何故に妻ガルの姿に変えそして愛してしまうことに至ったのか?そしてセカの事件の後にどうしてベラを信頼し自由を与えてしまったのかよくわからなかったりするんですけど、そもそも狂気の世界のお話でしたしドラマの展開に圧倒されたこともあって観ているときは全く気にすることはなかったのでした。

同じペドロ・アルモドバル監督の作品ですからあたりまえと言えばあたりまえなんですけど、どことなく『ボルベール〈帰郷〉』と共通するような雰囲気を感じるところもありましたね。思い返せば『ボルベール〈帰郷〉』 も奥深いいい作品でしたけど、観た当時はあの結末に釈然としないものがあったんですよね。今ならわかる気がしてもう一度観直してみたくなりました。


狂気度★★★★☆