ブログネタ
日本映画3 に参加中!
黄金を抱いて翔べ高村薫さんの同名小説を井筒和幸監督が映画化したミステリアスなクライム・アクション・ムービー。井筒和幸監督にしては久々にメジャー系のエンタメ作品かな?という印象で主演に若手のスター俳優を揃えて派手めな布陣となっているところに、さすがに井筒和幸監督も今度は儲かる映画に挑んできたのかな?と楽しみにしてました。
出演はその他に、桐谷健太、溝端淳平、チャンミン、青木崇高、中村ゆり、田口トモロヲ、鶴見辰吾、西田敏行
監督:井筒和幸

+++ちょいあらすじ
幸田は久しぶりに帰郷した大阪・吹田市で友人の北川からある犯罪計画をもちかけられる。それは大手銀行本店ビルの地下にある240億円相当の金塊を強奪するというものだった。幸田は難色を示すものの北川の強引さもあって計画は実行に移されることになり犯行メンバーには銀行担当のシステムエンジニアである野田。元・北朝鮮のスパイという裏の顔を持つ青年モモことチョウ・リョファン。元エレベーター技師のジイちゃん”こと斉藤順三。そして北川の弟の春樹も加わわって準備を着々と進めていくのだが・・・
+++

北朝鮮とか過激派とか左翼とか何とも井筒監督らしい要素を放り込んできますよね。そもそもは金塊強奪計画のお話なのに、そこに北の工作員や過激派やヤクザも絡んできて、もうゴッチャゴチャ状態になっていくんですが、それがミョーに大阪という舞台にもマッチするのか独特の雰囲気を漂わせていくのです。肝心のクライマックスがかなり大味な展開になりますけど、井筒監督が得意とするアングラ臭とバイオレンスの濃厚さと手に汗握るような緊迫感たっぷりでなかなか面白かったです。

この手の犯人側が主人公となる銀行強盗系のドラマは計画が一筋縄ではいかず様々なハプニングや障壁に阻まれるものですが、それが北の工作員や過激派やヤクザたちと言うのが井筒ワールドですよね。たまには違う発想してみればいいのにと思わなくもないですけど、こういうの嫌いでもなかったりします(笑)。

そもそも主人公の幸田自身が過激派などの物資調達などを引き受けるかなり胡散臭い仕事をしていて妙なスキルを身につけた男なのですが、その幸田を友人の北川が故郷である大阪は吹田市に呼び戻して240億相当の金塊強奪計画を持ち掛けるのです。

劇中で北川自身が語っていました。「計画は細心にやりけど細かくはやらない。ドカーンと派手にやる。」それはまるでその後のシナリオの伏線のようなセリフで綿密な計画や準備を実行しながら、いざという段階で出たとこ勝負だったりするのですが、そこはリアリティよりエンタメ性で盛り上がりをみせていくのです。

なんせ肝心の犯行前に北の人間に襲撃されたりヤクザに家族が復讐されたりととてもじゃないけど金塊強奪どころじゃない事件が連発するのですから、もともと混沌としたお話が混迷していく一方なんですが、いわゆるスタイリッシュなクライム・ムービーとは違って、気持ちよい痛快さはなくその逆に破滅していくような不穏さを増していくところが醍醐味だったりするのです。

銀行ビルからの脱出はもう少し安全で確実な方法はなかったのかな?とも思うのですが、たぶんあの結末のために幸田は銃撃で負傷しておかなければならなかったのでしょう。

それにしても北川という男はそもそも何者なんでしょう。あんなに場慣れした上メチャメチャ強くてどう考えてもただのトラック運転手ではないでしょう。あの性格からして間違いなく復讐は果たすのでしょうね。

ところでジャイアンとのび太のくだりはやっぱり妻夫木さんのトヨタのCMが元ネタですよね?(笑)


金塊度★★★☆