
かの有名な文豪ヴィクトル・ユーゴーの小説を基に世界各国でロングラン上演されてきたミュージカル作品をトム・フーパー監督が映画化した作品です。かなり宣伝に力を入れてるみたいですけど、キャスティングも素晴らしく予告編の印象はとてもいいので、これは舞台作品と遜色のない出来栄えなのでないかと、期待値MAXで観に行ってきました。
出演はその他に、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメイン、ヘレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエン、サマンサ・バークス、アーロン・トヴェイト、イザベル・アレン
監督:トム・フーパー
+++ちょいあらすじ
1815年のフランス。ジャン・バルジャンはパンを盗んだ罪だけで19年もの重労働の服役を課せられようやく仮釈放されるも度々の出頭を条件にされ貧困と差別の中で苦しい生活を余儀なくされていた。そしてある日、食事を世話してもらった教会で銀食器を盗んで警察に捕まってしまう。しかし司教はそれは彼に与えた物だとさらに高価な銀の燭台までも授け赦しを与えるとジャン・バルジャンは自身を悔い改め生まれ変わろうと決意した・・・
+++
ミュージカルの金字塔を打ち立てた作品がミュージカル映画としても金字塔を打ち立てたました。もうトリハダものの圧巻の歴史大河ドラマに痺れまくりでしたよ。凄かったァ。これもかなり長尺でしたけど時間なんてあっという間に感動の嵐とともに過ぎ去っていきました。
特に前半なんですが物語を展開していくスピードが早くてビックリ。あっという間にファンテーヌが亡くなってジャン・バルジャンが法廷で正体を明かすとこまでお話が流れていってしまって、ファンテーヌの歌唱場面ではもっと余韻に浸っていたかったくらいです。しかし物語全体としての見せ場が登場人物の増える後半に山盛り状態で待ち構えていますから仕方ないのかもしれません。
やっぱりこの物語にはエポニーヌの存在は不可欠ですね。エポニーヌって一見コゼットの恋敵になって意地悪しそうに思えてしまうんですけど、片思いするマリウスのために自分の気持ちに蓋をしてしまう姿とその思いをのせた歌があまりに切なくて胸キュンキュンで泣けてしまうんですよね。正直、すっかりお嬢様なコゼットより感情移入してしまいます。それだけにエポニーヌの最期には涙腺崩壊。そしてエポニーヌが恋のキューピッドとなってくれたことでコゼットとマリウスの恋も祝福する気持ちになれるんですよね。
もちろんこれはジャン・バルジャンの物語なので彼抜きでは語ることは出来ません。司教の慈悲深い愛によって救われ人生を悔い改めたジャン・バルジャンはそれから善行に励み数年後には別人として事業に成功し市長になりますが、そんな彼の前に服役中の看守だったジャベール警部が現れジャン・バルジャンの正体に疑問を抱き始めます。そんな中でジャン・バルジャンの工場で働く女工ファンテーヌがちょっとしたトラブルから工場長に解雇されてしまい、幼い娘・コゼットを宿屋に預け仕送りをしなければならないファンテーヌは娼婦へと身を落とし心身を病んでいきます。その事実を知ったジャン・バルジャンはファンテーヌを救い出しますが、間もなくしてファンテーヌは他界。ジャン・バルジャンは彼女に辛い思いをさせてしまったことを深く悔いてその贖罪としてコゼットを宿屋の悪徳夫妻から救いだすと父親となって育てていくのです。そして物語はまた数年後へとパリは再び激動の時代を迎えていました。
その後半は貧困や格差に苦しむ社会の中で政府に対し一致団結して蜂起する若者たちの姿をダイナミックな背景としながら、その中で描かれていくコゼットとマリウスの恋、そしてジャン・バルジャンとジャベール警部の深い因縁と数奇な運命がドラマチックに交錯しながら描かれていきます。全て既に知っているストーリーでありながらも、激動かつ劇的なドラマにすっかり呑み込まれてしまいました。さすがにあのバリケードを挟んで若者たちと政府軍が対峙するシーンは舞台では味わえない映像ならではの緊迫感がありますし、若者たちがたどる運命にも激しく心を揺さぶられ涙が頬を伝っていました。
司教から授かった深い慈しみの愛が小さな罪によって過酷な運命を背負わせれた一人の男の人生を大きく変え、男の中で大きく育った慈愛の精神がその後多くの人々を救い孤児となった一人の少女を大きな愛で包んでいきます。何度観てもジャベール警部の最後の決断は理解し難かったりするんですけど、法に忠実に生きる術しか知らなかった彼はジャン・バルジャンのその大きな愛に自分の愚かさを知り打ちのめされてしまったのでしょう。
それにしてもこれほどミュージカル純度の高い作品にしてくるとは思いませんでした。純度100%のミュージカル映画です。もうちょっと映画っぽくミュージカルシーンを所々で挿しこんでいくのかと思いきや物語は冒頭から最後まで全て歌詞で紡がれていくのです。セリフがあって突然、唄いだすとかじゃないですよ。登場人物たちの心中や言葉は全て歌にのせられて描かれていくのです。いわゆるセリフは1割もありません。よく迷わずブレずにやりきったなぁと感心してしまうほどで、むしろここまで極めてしまったのなら、生オケ仕様で観てみたくなるほどでした。
しかしこれほどミュージカル度が高いとそもそもミュージカルが苦手な人には合わなかったりするかもしれませんね。やっぱり歌詞でストーリーを追うって慣れないと面倒ですし、ましてや映画の字幕ですから文字数の制限もありますから、目だけではなく耳でもしっかり歌詞を聞いていたほうがよりいっそう引き込まれていくでしょう。そういう意味ではストーリーを全て予習してから観るのも堪能度の点から言えば得策かもしれませんね。
結婚式のシーンで一息ついてのラストシーンはまるでネロとパトラッシュの姿を彷彿させるようで(笑)たまらなく素敵でした。あそこでのファンテーヌの登場は映像ならではの反則技かもね。
慈愛度★★★★★
<TOHO CINEMAS One Month Free Passport 17>
+++
ミュージカルの金字塔を打ち立てた作品がミュージカル映画としても金字塔を打ち立てたました。もうトリハダものの圧巻の歴史大河ドラマに痺れまくりでしたよ。凄かったァ。これもかなり長尺でしたけど時間なんてあっという間に感動の嵐とともに過ぎ去っていきました。
特に前半なんですが物語を展開していくスピードが早くてビックリ。あっという間にファンテーヌが亡くなってジャン・バルジャンが法廷で正体を明かすとこまでお話が流れていってしまって、ファンテーヌの歌唱場面ではもっと余韻に浸っていたかったくらいです。しかし物語全体としての見せ場が登場人物の増える後半に山盛り状態で待ち構えていますから仕方ないのかもしれません。
やっぱりこの物語にはエポニーヌの存在は不可欠ですね。エポニーヌって一見コゼットの恋敵になって意地悪しそうに思えてしまうんですけど、片思いするマリウスのために自分の気持ちに蓋をしてしまう姿とその思いをのせた歌があまりに切なくて胸キュンキュンで泣けてしまうんですよね。正直、すっかりお嬢様なコゼットより感情移入してしまいます。それだけにエポニーヌの最期には涙腺崩壊。そしてエポニーヌが恋のキューピッドとなってくれたことでコゼットとマリウスの恋も祝福する気持ちになれるんですよね。
もちろんこれはジャン・バルジャンの物語なので彼抜きでは語ることは出来ません。司教の慈悲深い愛によって救われ人生を悔い改めたジャン・バルジャンはそれから善行に励み数年後には別人として事業に成功し市長になりますが、そんな彼の前に服役中の看守だったジャベール警部が現れジャン・バルジャンの正体に疑問を抱き始めます。そんな中でジャン・バルジャンの工場で働く女工ファンテーヌがちょっとしたトラブルから工場長に解雇されてしまい、幼い娘・コゼットを宿屋に預け仕送りをしなければならないファンテーヌは娼婦へと身を落とし心身を病んでいきます。その事実を知ったジャン・バルジャンはファンテーヌを救い出しますが、間もなくしてファンテーヌは他界。ジャン・バルジャンは彼女に辛い思いをさせてしまったことを深く悔いてその贖罪としてコゼットを宿屋の悪徳夫妻から救いだすと父親となって育てていくのです。そして物語はまた数年後へとパリは再び激動の時代を迎えていました。
その後半は貧困や格差に苦しむ社会の中で政府に対し一致団結して蜂起する若者たちの姿をダイナミックな背景としながら、その中で描かれていくコゼットとマリウスの恋、そしてジャン・バルジャンとジャベール警部の深い因縁と数奇な運命がドラマチックに交錯しながら描かれていきます。全て既に知っているストーリーでありながらも、激動かつ劇的なドラマにすっかり呑み込まれてしまいました。さすがにあのバリケードを挟んで若者たちと政府軍が対峙するシーンは舞台では味わえない映像ならではの緊迫感がありますし、若者たちがたどる運命にも激しく心を揺さぶられ涙が頬を伝っていました。
司教から授かった深い慈しみの愛が小さな罪によって過酷な運命を背負わせれた一人の男の人生を大きく変え、男の中で大きく育った慈愛の精神がその後多くの人々を救い孤児となった一人の少女を大きな愛で包んでいきます。何度観てもジャベール警部の最後の決断は理解し難かったりするんですけど、法に忠実に生きる術しか知らなかった彼はジャン・バルジャンのその大きな愛に自分の愚かさを知り打ちのめされてしまったのでしょう。
それにしてもこれほどミュージカル純度の高い作品にしてくるとは思いませんでした。純度100%のミュージカル映画です。もうちょっと映画っぽくミュージカルシーンを所々で挿しこんでいくのかと思いきや物語は冒頭から最後まで全て歌詞で紡がれていくのです。セリフがあって突然、唄いだすとかじゃないですよ。登場人物たちの心中や言葉は全て歌にのせられて描かれていくのです。いわゆるセリフは1割もありません。よく迷わずブレずにやりきったなぁと感心してしまうほどで、むしろここまで極めてしまったのなら、生オケ仕様で観てみたくなるほどでした。
しかしこれほどミュージカル度が高いとそもそもミュージカルが苦手な人には合わなかったりするかもしれませんね。やっぱり歌詞でストーリーを追うって慣れないと面倒ですし、ましてや映画の字幕ですから文字数の制限もありますから、目だけではなく耳でもしっかり歌詞を聞いていたほうがよりいっそう引き込まれていくでしょう。そういう意味ではストーリーを全て予習してから観るのも堪能度の点から言えば得策かもしれませんね。
結婚式のシーンで一息ついてのラストシーンはまるでネロとパトラッシュの姿を彷彿させるようで(笑)たまらなく素敵でした。あそこでのファンテーヌの登場は映像ならではの反則技かもね。
慈愛度★★★★★
<TOHO CINEMAS One Month Free Passport 17>
キャストが小さいイヤホンを装着して別室のピアノ演奏を聴きながらの演技で^^
ヒュー・ジャックマンは普段もミュージカルを^^
撮影中もラッセル・クロウのギターでヒュー・ジャックマンがと音楽漬け^0^
すごいね^^/