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サイコ1960サスペンスの帝王アルフレッド・ヒッチコックを描く『ヒッチコック』の公開目前ということで、その劇中で描かれている本作を鑑賞してみました。実在の犯罪者に基づいて描かれたロバート・ブロックの同名小説を映画化した1960年のモノクロ作品。サイコ・サスペンス映画の元祖とも言われる名作中の名作です

出演はその他に、ジャネット・リー、ジョン・ギャヴィン、ヴェラ・マイルズ、マーティン・バルサム、サイモン・オークランド、ジョン・マッキンタイア、ジョン・アンダーソン、パトリシア・ヒッチコック、ヴァージニア・グレッグ、ポール・ジャスミン、ジャネット・ノーラン
監督:アルフレッド・ヒッチコック

+++ちょいあらすじ
アメリカ・アリゾナ州の小さな町ファーベルで不動産会社に勤めているマリオン・クレーンは恋人サムとの結婚を望んでいたがサムは離婚した妻への慰謝料や養育費で経済的に困っておりなかなか実現せずに名yんでいた。そんなある日、不動産屋の顧客が物件を買い4万ドルを現金で支払い社長から銀行に預けるよう頼まれたマリオンはそのお金を持って車で逃亡してしまう・・・
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久しぶりに観たと言っても遥か昔の子供の頃に一度か二度テレビで観ただけのことで、かの有名なシャワールームでの惨劇シーンくらいしかハッキリ覚えてませんでしたが、映画に漂う不気味さ、危うさ、緊張感は色褪せることなくて魅了されてしまいました。名作と呼ばれるだけのことある秀逸な作品ですね。

主人公と思っていたヒロインのマリオン・クレーンが物語まだ半ばで惨殺され遺棄されてしまうというのはホントに奇抜で斬新な展開ですよね。それまでの前半のくだりでは経済的な問題で結婚出来ずにいる恋人と一緒になるために職場で銀行に預けるはずの4万ドルを横領して車で逃亡するマリオンの姿が刻々と描かれていきます。途中でマリオンは保安官に遭遇し職質されると直後に車を買い替えるという不審な行動をとり、さらにそれを遠くから伺うように見つめる保安官の姿があったりと、罪を犯して逃走するマリオンの不安な心理が絶妙な演出で醸し出されていくクライム・サスペンス。そしてそれが立ち寄ったモーテルで経営者ノーマン・ベイツと出会いあのシャワーシーンを経てサイコ・サスペンスへと一変していくのです。

人格障害を用いてのサイコものは現代サスペンスでも主流の一つですけど、たいして面白くない作品も目につくんですよね。それは人格障害の設定にしたことで何でもアリアリでリアリティが欠落しちゃってることに起因するんじゃないかと私は思ったりするのですが、本作の場合、ラストシーンで監察医?の説明がありますが、本作の場合は人格障害という犯行要因に筋道がしっかり通っているんですよね。シャワールームでマリオンを襲ったのはノーマンではなくノーマンの母親であったというのも納得しちゃう秀逸な演出に唸らされます。

古典作品ですから古典的な手法盛りだくさんなのはあたり前のことですが、カメラワーク、カット割り、音響など様々な演出法が近代のサスペンス映画に影響色濃く与えていることがあらためてわかります。オープニングタイトルも現代の感覚でも十分モダンに感じられるスタイリッシュな演出ですよね。危機が迫り緊迫感を高めるあの独特の効果音も今でも流用されることが多くて耳にしますよね。

私はヒッチコック映画の中でも『鳥』が大好きなんですが、その3年前に作られた本作劇中でも鳥が不気味さを暗示するように使われていたことに気付きました。これってやっぱりヒッチコック監督なりに何か意味を持たせているのでしょうか?

そうそう、ヒッチコック監督はカメオ出演することでも有名でしたけど本作では始まってすぐのマリオンの出勤シーンでドアのガラス越しにウェスタンハットをかぶって立っている姿が確認出来ました。



恐怖度★★★★