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舟を編む三浦しをんに同名の原作小説は出版当時から本屋さんで見かけるたびに気にはなっていたもののハードカバーはちょっと億劫なので文庫化されてからでもいいかなと思っていたら、2012年度の本屋大賞を受賞、そして映画化(実際の順番は逆かもだけど)という今やお決まりのヒットパターンをまっしぐら。でも本屋で手にとった時よりも予告編を目にした時のほうが強く興味の惹かれたのもたしかで、石井裕也監督と個性的な俳優陣に期待して観に行ってきました。

出演はその他に、オダギリジョー、黒木華、渡辺美佐子、池脇千鶴、鶴見辰吾、宇野祥平、又吉直樹、波岡一喜、森岡龍、斎藤嘉樹、麻生久美子、伊佐山ひろ子、八千草薫、小林薫、加藤剛
監督:石井裕也

+++ちょいあらすじ
玄武書房という出版社の営業部で働く馬締光也は名前通りの真面目な人物だったが職場では浮いた存在だった。ところがある日そんな彼に転機が訪れる。新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の出版に取り組む辞書編集部の主任・荒木が退職することになり適性のありそうな人物を探す荒木と部下の西岡が言葉に対する卓越したセンスを持った馬締を抜擢し辞書編集部に異動させたのだ・・・
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これは期待以上に観応えがあって面白かったです。きっと原作からして秀逸なんでしょうけど、脚本、役者、演出と三拍子が見事に揃った素晴らしい出来映えで最初から最後まで引き込まれっぱなしでした。

もう始まって数分でこれはかなりイイかもという予感がしてきたんですよね。経験上こういう予感がした作品は結果的にハズれたことがないので早くも心掴まれた感じで、あとはただひたすら魅了されていくのみでした。

もう題材からして上手いなッて思うんですけど、こういう風に日常的な存在でありながらその実はあまりよく知られていない世界を専門的なまでに深く丁寧に掘り下げながら人間ドラマって大好きなんです。身近な題材だけに導入部分での敷居は低く、でもそこから先に未知の世界が奥深ぁく広がっていくのです。そしてその世界にはある物事に必死に真剣に情熱と愛情を注ぐ人々の姿が誠実に真摯にそして時にはユーモアたっぷりに描かれていくのです。特に物作りを題材にした作品はそれを描く小説、映画とも重なることで、より深い思いが伝わってくるような気がします。

辞書が長い年月を費やして作られているというのは一応知識としてはありましたけど、これほどの大変な労力が費やされていたとは知りませんでした。それも決して花形の部署ではなくてかなり地味で日影の存在?でも長い年月をかけて地道な毎日の努力の積み重ねていく辞書作りは人生を旅していくようなものなのかもしれません。だから辞書作りに関わる人々にも出会いや別れ、恋愛、結婚と様々な出来事が起こるのは当たり前で一見地味に感じられる物語が実に人間味溢れる奥深さと壮大さを醸し出していくのでしょう。

そんな物語に現実そのもののような空気感をもたらしていくのが個性と実力を兼ね備えた出演者たちです。宮崎あおいさん、オダギリジョーさん、池脇千鶴さん、小林薫さんと主演クラスが揃ってみんな実在の当事者たちなんじゃないかと思うほどの等身大の演技を見せてくれるんですよね。特に主演の松田龍平さんの演技は素晴らしかったですね。極めて自然体に演じられてるのがまた見事なんですよね。だんだんあの偉大なお父様の姿に近づいているように私の目には映ったのでした。



辞書度★★★★★