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ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜第85回アカデミー賞では史上最年少で主演女優賞候補となったクヮヴェンジャネ・ウォレスが話題を集めたこの作品。世界のはずれの小さな島で暮らす少女の目線を通して映し出す社会をファンタジックに描く物語です。ワタシ的には「まるで実写版ジブリのよう」という前評判がとても気になっていました。予告編でも出てくるあの大きなイノシシはいったい何?まるで猪神でしたよね。

出演はその他に、ドワイト・ヘンリー
監督:ベン・ザイトリン

+++ちょいあらすじ
世界のどこかにあるバスタブ島。そこで父親ウィンクと暮らす少女ハッシュパピーは貧しいながらも明るく逞しく生活していた。そんなある日の晩、大嵐がバスタブ島を襲い彼女たちの日常を無情にも奪っていった・・・
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実写版ジブリはちょっと煽りすぎなような気がしますが、自然との共生や自然と文明との対峙といった作品テーマには共通性が感じられましたね。

物語の舞台となるバスタブ島はいったいどのあたりなのでしょうか?広い中州のような土地で暮らす主人公ハッシュパピーと父親ウィンク、そして仲間たち。対岸には工場らしき建物が見え未開の地というわけではなさそうですがスラム街のような劣悪な環境で貧しい生活を送っています。そんなある日、大嵐に襲われ川は氾濫。住まいも土地も住まいも土地も何もかも水没し失ってしまうのです。

他人から見れば貧しい暮らしかもしれませんが、彼らにとっては他人に干渉されず自由であることが何より大切だったのかもしれません。しかし強者であるマジョリティは彼らの土地を遊水池とし強制的に居住を禁止するのです。

現実の世界はとても厳しいです。母親は不在で父親も重い病を患ってしまい少女ハッシュパピーは6歳にして辛い運命を背負わなければならなくなります。しかし、そんな逆境にもめげずに勇気をだして立ち向かう姿は険しい環境で生きてきた彼女だからこそだったのかもしれません。あの大猪が何のメタファーだったのかハッキリとはわかりませんでしたけど、自然界の弱肉強食の構図と同時に自然界への畏敬の念を表していたような気がします。

アカデミー賞でを浴びたヒロインのクヮヴェンジャネ・ウォレスはたしかに素晴らしい存在感でした。あの意思の強さを感じさせる表情と瑞々しい躍動感が全てと言ってもいいかも父親役しれませんが、でもそれを引き出したのは父親ウィンク役の俳優さんだったように私の目には映りました。


再生度★★★☆