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リアル〜完全なる首長竜の日〜第9回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した乾緑郎さんの小説を黒沢清監督が映画化したミステリー・ラブロマンスです。予告編を目にする回数が多いので昏睡状態となった恋人の意識の中へ入り込み目覚めさせようとするというSF系のお話の主旨はわかりましたが、原作の題名は「完全なる首長竜の日」。あの首長竜がいったいどうこのお話に絡んでくるのかは謎めいていて、劇場公開をとても楽しみにしていました。

出演はその他に、中谷美紀、オダギリジョー、染谷将太、堀部圭亮、松重豊、小泉今日子
監督:黒沢清

+++ちょいあらすじ
自殺を図り昏睡状態に陥って1年が経つ漫画家の淳美を救うため恋人の浩市は“センシング”という最新医療で彼女の潜在意識とコンタクトして自殺の真相を探る目覚めさせようと試みる。浩市はセンシングの中で淳美から子供の頃に描いてくれた首長竜の絵を探してほしいと頼まれるが心当たりがなく何度もセンシングを繰り返していくと・・・
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劇場予告編を観て浩市が漫画家なんだと思っていた私は冒頭で淳美が漫画家だったと知って強い違和感を覚えました。その後しばらくは二人ともに漫画家なんだろうなと思っていたんですけど、どうもそれも違ったようで、とりあえずは納得したんですけど、実はそれがこの物語の大きな仕掛けだったとわかった時には、なるほどォと思ったのですがやっぱり違和感が残るんですよね。予告編では浩市が漫画について話す場面は使わないほうがよかったんじゃないのかな?私の先走りな思い込み?

物語は1年前に自殺を図り昏睡状態となった恋人の淳美をセンシングという先端医療で潜在意識にコンタクトし自殺の真相を探り目覚めさせようとする主人公・浩市の姿とともにある謎を解き明かしていくのですが、わりと序盤から現実と仮想世界が交錯しゴッチャゴチャになっていくこの作品独特の世界観はなかなか興味深くて面白かったです。どことなくホラータッチで謎めいたストーリーにすぐに引き込まれてしまいました。

淳美の潜在意識にコンタクトした浩市はそこで淳美から昔私に描いてくれて首長竜の絵を探して欲しいと頼みます。この首長竜と淳美の意識の中で時々現れる謎の少年が真相を探る大きな鍵だと気づいた浩市は二人が幼少期を過ごした飛古島へと向かいそこで心の奥底に封印していたある過去の出来事へとたどり着くのです。

あの真相は理解出来ましたけど、でもどうして首長竜だったんでしょうね?私には首長竜が愛らしい恐竜に映るのでどうもピントこないのです。首長竜ってプレシオサウルスでしょ?魚は食べるけど人間は襲わないんじゃない?浩市たちが何故に首長竜を選びそれがメタファー化したのか、そこがイマイチ、ピンとこなくて肝心の終盤が盛り上がれませんでした。モリオに関してもそうなんですが、もうちょっと少年期の島での二人の生活や思い出について掘り下げて描いていたらもっとドラマチックな展開になったのではないかなと?

全ては過去の事件を心の奥底に封印し潜在的に良心の呵責に苛まれていた浩市の頭の中の物語なわけで、多少の違和感があったり矛盾を感じたとしても不思議なことではなく、観ている側がそこをどう受け止めるかなのかもしれません。でもたんなる事故でしかなく浩市がそこまで負い目を感じることなのかな?と思ってしまうんですよね。いっそ彼に重い罪があったほうがわかりやすかったかも。

黒沢清監督の作品にしてはかなりメジャーな公開となりましたし、実際とても派手な印象を受けました。死体やモリオの描写で所々黒沢清監督ぽさを感じるところはありましたけど、知った上で観ているからそう思うのであって知らずに観ていたら黒沢清監督って気づかなかったかもしれませんね。重量感はあるんですけど重さの質がこらまでの作品とはちょっと違うんですよね。混沌とした不気味さや不快感がしないんですよね。ミステリアスなんだけど何故か爽やかさもあるみたいな。それはやっぱり主演が佐藤健さん綾瀬はるかさんだったからなのでしょうか?私は綾瀬はるかさんは一流のコメディエンヌと認識してましたけどホラーや悪女もいい感じでいけそうですね。

それにしても結局このタイトルの意味するところがさっぱりわかりませんでしたね。原作とは違う内容になってたりするのかな?「完全なる首長竜の日」ってどういうことなんでしょう?あの首長竜のVFXはなかなかのクオリティでいっそのこと恐竜映画として観てみたくなりました(笑)。


仮想度★★★