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スーサイド・ショップぼくの大切なともだち』の名匠パトリス・ルコント監督が「ようこそ、自殺用品専門店へ」というジャン・トゥーレの小説を原作に自身初のアニメ作品に挑んだというブラックユーモア仕立てのファンタジー・コメディです。「スーサイド・ショップ/自殺用品店」というブラックな香り漂うタイトルに惹かれ興味を抱いたら、あの傑作『ぼくの大切なともだち』のパトリス・ルコント監督の作品ということで、これは面白そうと観に行ってきました。

声の出演はその他に、イザベル・スパッド、ケイシー・モッテ・クライン、イザベル・ジアニ、ロラン・ジャンドロン
監督:パトリス・ルコント

+++ちょいあらすじ
深刻な不景気が続き先行きが見えない中、多くの人々は生きる意欲を失い自殺へと走っていた。そんな街で繁盛していたのはトゥヴァシュ一家が営む老舗の自殺用品専門店だった。首つりロープに毒薬や日本刀など高品質な様々な商品を揃える店は客足が絶えることはなかったのだ。そんな一家にアランという男の子が誕生するが・・・
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日本刀って自殺用品なんですね?やっぱり外国の人には侍の切腹のイメージが強いんだなぁ。

冒頭から人々がバタバタとビルから飛び降り、ついには鳩まで身投げするという絶望感に満ちた世相から始まる物語に期待が高まります。主人公はそんな暗い社会の街の一角で自殺用品店を営み繁盛していたトゥヴァシュ一家です。父ミシマ、母ルクレス、長女マリリン、長男ヴァンサンはいずれもネガティブ思考で店は成り立っていましたが新たに誕生したアランだけは何故か笑顔の絶えない陽気な子どもでやがて成長したアランはお店の商品に細工して購入者たちを自殺させないようにしてしまうのです。

ある時、父のミシマは顧客のところに注文を受けた毒薬を届けに向かいそこで死の現場に直面し激しいショックを受け心を病んでしまいます。一方、相変わらず陽気なアランは仲間の少年たちと何やら秘かに計画をくわだてていました。

ブラック度はなかなか高い作品。そしてミュージカル仕立てという何ともシュールな作風です。日本で同じ発想でやったらもっとリアルにシリアスでダークな作品になりそうですよね。物語の世相を反映して基本ダークトーンな色調で描かれてますが、そのタッチはポップでコミカルなんですよね。もともとは3D作品らしく背景のレイヤーと主レイヤーの登場人物たちとのコントラストが強くて2Dでも立体感を感じました。

アランの姉マリリンへのバースデイプレゼントからああいう展開になっていくとは思いませんでしたが、マリリンの笑顔から物語全体を覆い尽くしていた薄暗い色調も次第に変化を見せ始めていくのです。しかし、アランはいったいどこまで考えて行動を起こしていたんでしょうね。アランたちがマリリンの部屋を覗き見してましたけど、本来の目的は何だったのでしょう?(笑)。そしてアランの次なる行動がクライマックスの大騒動を巻き起こしていくわけですが、そこで笑顔を取り戻したマリリンが愛の軌跡を呼び起こしていくのです。

それにしても、これって一応は子ども向けのファミリー映画なんでしょうかね?自殺はもちろんアランの喫煙シーンなど子ども向けにはそぐわないかなと思いますけど、かと言って大人向けというにはマイルドかな?という印象で、どっちつかずなところが物足りなかったですね。どうせだったら最後までダークなお話にしちゃっても良さそうな気がしますが、あの結末となるからにはやっぱり子供目線は意識しているのでしょうね。ちなみに日本ではPG-12指定になってます。

もちろんめでたしめでたしのハートフル結末でヨカッタとは思うんですけど、ブラックテイストな作品だっただけにもっとスパイシーな味付けが欲しかったなぁと思うのでした。


幸福度★★★