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清須会議三谷幸喜さんが自ら17年ぶりに書き下ろした小説を原作に脚本を書き上げ映画化した最新作です。前作でも落ち武者が出てきますし、TVドラマではNHK大河ドラマ「新撰組!」の脚本などを手がけてたりして、時代劇モノもお好きなのは知られてますけど、映画でとなる今作が初の取り組みとなるんですね。これまで手がけた作品とはちょっと違うというご本人談でしたが、ついに念願叶ったとも言えるわけで、三谷幸喜監督お得意の群像喜劇の真骨頂を期待して観に行ってきました。

出演はその他に、小日向文世、佐藤浩市、妻夫木聡、浅野忠信、寺島進、でんでん、松山ケンイチ、伊勢谷友介、鈴木京香、中谷美紀、剛力彩芽、坂東巳之助、阿南健治、市川しんぺー、染谷将太、篠井英介、戸田恵子、梶原善、瀬戸カトリーヌ、近藤芳正、浅野和之、中村勘九郎、天海祐希、西田敏行
監督:三谷幸喜

+++ちょいあらすじ
天正10年(1582年)。本能寺の変にて織田信長が明智光秀によって討たれるが、すぐさま駆けつけた羽柴秀吉によって明智光秀は討取られた。その功績によって羽柴秀吉の権力が強まることを危惧した筆頭家老の柴田勝家と盟友の丹波長秀は主導権を握ろうと織田家後継者を決める会議を行うことにし、清須に織田家家臣らが一堂に会すことになるが・・・
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これは面白かったァ。三谷幸喜作品の傑作と言えるのではないでしょうか?脚本と芝居の面白さがほぼメインでこれだけの大作感の味わいがだせてしまうのは、さすがのお見事ッ。

歴史の教科書でもほんの数行でしか触れず、時代劇ドラマでもあまり大きく扱われることのない、織田信長亡き後の後継者と領地配分を戦ではなく話し合いで決めた歴史的な出来事である清須会議をリアリティを求めつつダイナミックな群像人情喜劇に仕立てた三谷幸喜ワールドの真骨頂です。

歴史モノといっても登場人物の多くは歴史的な著名人ばかりで史実を描いていくので小難しいことは何もありませんし、それを豪華俳優たちが演じているのもあってキャラが魅力的なまでに立っているんですよね。俳優としての主役は柴田勝家を演じる役所広司さんで物語上の主役は大泉洋さんが演じる羽柴秀吉という見方が出来ると思います。明智光秀を討取りその後天下人となっていく秀吉の動きはドラマなどでいろいろ見聞きしていますが、そこをさらに掘り下げて描かれていく秀吉の人心掌握術と策略はとても観応えがありました。そして歴史物語としてハードルが低いながらも現代的な解釈を持ち込むことで斬新な切り口が大きなエンターテイメント性をもたらしていると言えるのではないでしょうか。

そうそう観る直前になって気付いたのですが、これって清洲会議ではなくて清須会議なんですね。洲と須どちらの漢字でもいいそうですが、三谷監督は字画を占って良い運勢だった須の字にされたのだそうです。三谷監督の思い入れの強さなのでしょう、人物像に関してはとても細かいディテールにまで追求しているのも興味深かったですね。織田信長の血筋の者は鼻がミョーに高かったり、秀吉の家族は母と弟も耳が大きかったり、独身の柴田勝家は身なりに無頓着なとこがあって悪臭を漂わせているのを強調したりと、より人物像が際立ちとても親しみやすいキャラクターとなっていて楽しめました。それからビジュアルを気にする女優さんなら拒否しそうなお歯黒メイクに挑み見事に演じられた鈴木京香さんと剛力彩芽さんにも拍手です。特に剛力彩芽さんには女優としての気概を感じました。

本編138分とちょい長めですがあまりに楽しくてあっという間に終わってしまった感じがします。特に役所広司さんと大泉洋さんの掛け合い、二人が演じる勝家と秀吉の丁々発止は絶品ですね。

そうそう、こっそり期待はしていましたけど更科六兵衛の登場には大ウケ。素晴らしい出オチでしたね(笑)。


群像度★★★★★