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利休にたずねよ直木賞受賞作である山本兼一さんの小説を原作を基に市川海老蔵さんを主演に迎え『火天の城』の田中光敏監督が実写映画化した歴史ドラマです。千利休と言えば安土桃山時代を舞台にした大河ドラマや時代劇ではお馴染みの歴史的人物ですが基本的には脇の存在なんですよね。その千利休を主人公に千利休の人生をラブストーリー含みで描いた作品とのことで期待して観に行ってきました。

出演はその他に、中谷美紀、伊勢谷友介、大森南朋、成海璃子、福士誠治、クララ、川野直輝、袴田吉彦、黒谷友香、市川團十郎、檀れい、大谷直子、柄本明、伊武雅刀、中村嘉葎雄
監督:田中光敏

+++ちょいあらすじ
豊臣秀吉の命によって三千もの兵が屋敷を取り囲む中、茶人・千利休は切腹の朝を迎えていた。利休と妻の宗恩が縁側に座り庭を眺め在りし日の思い出を振り返る中で宗恩がふと利休に尋ねた。「自分以外に想い人がいたのでは?」と・・・
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とても美しくそして厳かな作品でした。主人公の千利休役は原作者、監督ともに市川海老蔵さんしかいないと2年以上もかけてアプローチしそして実現に至ったそうですが、ホントにホントに市川海老蔵さん以外にこの役をこれほどまで見事にこなせる方はちょっと思いつかないですね。市川海老蔵さんが見事に利休となって演じきったわけですが、逆に市川海老蔵さんが利休を自分自身として成り代わってしまったかのようにも思えるんですよね。とにかく素晴らしい、珠玉の市川海老蔵ワールドと言っても過言ではないでしょう。

物語は利休の切腹の日の朝、豊臣秀吉が差し向けた三千もの兵に屋敷を囲まれた利休が妻の宗恩と語らい、妻の「想い人がおられたのでは?」の問いかけをきっかけに過去を遡って利休の半生と秘められたある恋の物語を綴り描いていきます。

この映画何が素晴らしいって、まず、市川海老蔵さん演じる利休の所作の美しさにうっとり魅せられてしまうんです。あの美しさはおそらく日本的な美徳をご存じない諸外国の方々にも通じる美しさなのではないでしょうか。あの整然と凛とした佇まいと美しさは昨日今日で身に付くものではなく、持って生まれたものと歌舞伎役者というその育ちにあるのでしょう。若き頃から美しきものに執着し美的感覚に秀でた利休と市川海老蔵さんには共通する感性があるのかもしれません。それはたんなる見た目の美しさを見極める力ではなく、物事の本質、そこに宿る心の美しさを見抜く力だったに違いありません。

そんな利休にとって人たらしと言われ欲深く無慈悲な豊臣秀吉はさぞかし醜く映ったことでしょうし、自分が決して持ち得ない心眼を持ち人々の心を捉える利休を豊臣秀吉が恐れたのも当然のことだったのかもしれませんね。

本編上映前に市川海老蔵さんのビデオレターが流れました。コメントの内容からして初日限定のものだったようでなんだか得した気分(笑)。初日以後にはまた別バージョンが流れるのかな?


茶聖度★★★★☆