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小さいおうち第143回直木賞を受賞した中島京子さんの同名ベストセラー小説を山田洋次監督が映画化したラブ・ミステリアスなドラマです。劇場予告編や宣伝チラシの印象は山田洋次監督っぽくないように感じてはいたのですが、ミステリアスな作品と聞いてまたまた意外な感じ。キャスティングはなるほど山田洋次監督っぽい顔ぶれではありますが、個人的には最近注目している黒木華さんに期待して観に行ってきました。

出演はその他に、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子、橋爪功、吉行和子、室井滋、中嶋朋子、林家正蔵、ラサール石井、あき竹城、松金よね子、螢雪次朗、市川福太郎、秋山聡、笹野高史、小林稔侍、夏川結衣、木村文乃、米倉斉加年
監督:山田洋次

+++ちょいあらすじ
亡くなったタキの遺品整理をする健史はその中にタキが遺した大学ノートを見つける。それはタキが晩年健史から勧められて書き綴っていた自叙伝だった。昭和11年、雪深い山形から東京へ出て来たタキは赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働き始め・・・
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昭和の情緒と空気感がスクリーンから溢れ出てくるような味わいある作品でしたね。これはある年齢層にはたまらない作品だったりするのではないでしょうか。

物語は亡くなった大叔母のタキが大学ノートに書き遺した自叙伝を親類の健史らが読んでいくという形で昭和の前半を舞台に山形出身のタキが女中として働いていた東京は大森区にある赤い屋根のモダンな小さな家、平井家での生活の様子と、タキが60年もの間抱え続けてきたある秘密を綴り描いていきます。

物語の背景には支那事変、太平洋戦争があり社会的には激動な時代のわけで、主人公たちもその時代のうねりに飲み込まれていくのですが、その中で描かれていくのが平井家の奥様と女中タキによる秘められた出来事というのが庶民的な好奇心くすぐるこの物語の大きな魅力と言えるでしょう。メロドラマのような派手な展開こそありませんけど、丁寧な演出と堅実な芝居で紡がれていくストーリーはそれだけで観応えがあるものでした。

今作の映画的な安定感、安心感は抜群でやや長めの本編でしたが全く中弛みすることもなくすっぽりと物語に引き込まれて魅入ってしまいましたよ。物語の中心となるのは女中のタキに平井家奥様の時子、夫の会社の部下である板倉正治。そして語り部役となる現在時の生前のタキと健史になるわけですが、松たか子さんも黒木華さんも吉岡秀隆さん倍賞千恵子さんも妻夫木聡さんもみな芝居が上手いものだから、何の仕掛けも必要なく自然に物語が成り立っていく感じがするんですよね。しかもメイン以外の脇役にも実力派揃いの面々なのがまたスゴイところだったりするんですよね。倍賞千恵子さん演じるタキの思い出の中に吉岡秀隆さんがいるとなんだか『寅さん』みたいだったり、絡みこそないものの中嶋朋子さんが出てくるとどうしても「北の国から」を思い出してしまったりするんですけど(笑)、それもまたファン的にはたまらない要素だったりします。

そういえば祖母の家でもタキのようなお手伝いさんがいたそうで、そのせい祖母は家事があまり出来ない人だったと母が話していました。その母はそんな祖母を反面教師にしたのか家事はとても得意にしてますけど(笑)。それにしてけっこうお客さん入ってましたね。しかも推定観客平均年齢およそ80歳くらいかな?これはいったい何人気なのでしょうか?やっぱり山田洋次作品の神通力なのでしょうか?


昭和度★★★★