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ソハの地下水道ナチス・ドイツ占領下にあるポーランドを舞台にユダヤ人たちを地下に匿い命を救ったという水道労働者ソハの実話を基にしたヒューマン・ドラマです。監督は『敬愛なるベートーヴェン』のアグニェシュカ・ホランド。監督ご自身がポーランド出身の方ですのでこの作品にかける意気込みも強そうですね。当初は英語作品として企画されていたのをポーランド語などに変更し2012年アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品です。

出演はその他に、ベンノ・フユルマン、アグニェシュカ・グロホウスカ、マリア・シュラーダー、ヘルバート・クナウプ、キンガ・プレイス
監督:アグニェシュカ・ホランド

+++ちょいあらすじ
1943年3月、ナチス占領下のポーランド。地下水道で下水処理の仕事をして働くソハは生き抜くために時に盗みをして家族を養っていた。そんなある日、ナチスによる激しい迫害から逃れようとユダヤ人たちが地下へと逃げ延びてくる。ソハは彼らを匿ってやるかわりにお金を要求するが・・・
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ユダヤやナチスを題材にした映画作品はネタが尽きないんじゃないかというくらいにお目にかかりますけど、さらに言えば秀作とされるのも多いのが特徴的ですけど、やはりそれは実話や真実に裏付けられた悲喜こもごもな人間ドラマが描かれていくからなのでしょう。

物語の舞台はナチス占領下のポーランドです。主人公のソハは地下水道を仕事場にする水道労働者で下水処理の仕事をしながら時おり空き巣をして盗んだ品を地下水道に隠し、この厳しい時代を生き抜くために小悪に手を染めることも良しとしている男です。ある日ソハはユダヤ人が地下水路への秘密の抜け穴を作っているを見つけ口止め料としてお金を要求します。しかしやがてユダヤ人への迫害が激しくなりユダヤ人が地下へと逃げ延びてくるとそこへ彼らを匿うのです。当初はお金のために彼らを匿うソハでしたが、彼らに次第に感情移入していくソハは事態がさらに深刻化し自身も危うくなる中で懸命にユダヤ人を救おうと奔走していきます。

とても重厚かつ緊張感にあふれた迫真の物語でしたね。第二次大戦下におけるユダヤ人迫害の出来事がこうして何度も作品化されるのは、それが世界の歴史における大事件であり、そしてその中で人間の最も醜い側面と美しき善良な側面がドラマとして強烈なコントラストを放つからなのかもしれません。

ソハは決して善良とは言えない男です。しかし人は多かれ少なかれそんなものでしょう。もちろん犯罪はもってのほかですけど、困窮するこの時代を家族を守り生き抜くためにはやらざるをえないこともあったのかもしれません。そしてそんなソハが両親に目覚めたのもナチスによるユダヤ人迫害があまりに非人道的な巨悪だったからなのでしょうね。

原題は『IN DARKNESS』。まさにこの時代、そしてユダヤ人やソハたちが置かれている状況を表すにふさわしい言葉ですよね。でもそんな暗黒の時代に名もなき市民の小さな勇気がたくさんの人に人生に光を灯したことでしょう。

混沌とした当時のことですから、きっと世の中には知られていないこういった出来事がまだまだたくさんあったはずだと信じたいですね。


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