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サバイビング・モロッコ第62回ベルリン国際映画祭パノラマ部門CICA賞(って何だろ?)を受賞し第85回アカデミー賞の外国語映画賞にモロッコ代表作としてエントリーされたという作品です。WOWOWの作品紹介を観たら、これがいかにも良質なミニシアター系作品って雰囲気が漂っていて良さげだったので観てみることにしました。ベルギー、フランス、モロッコ、ドイツ、アラブ首長国連邦による製作で日本劇場未公開作品です。

出演はその他に、イマーネ・エルメクラフィ
監督:フォージ・ベンサイディ

+++ちょいあらすじ
モロッコ北部の町テトゥアン。ここで暮らす青年マリクは定職には就かずアラールとスフィアンの二人の悪友とひったくりで手にした金で遊びほうける日々を過ごしていた。そんなある日、マリクはドゥニアという女性と出会い一目で恋に落ちてしまう。彼女が娼婦として働くナイトクラブが麻薬捜査で摘発され彼女が逮捕されたことを知ったマリクは・・・
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これは味わい深い秀逸な作品でしたね。たしかにこれは映画祭受けしそう。というのそれはこの映画が本来の映画らしい質感を伴っているからなのでしょうね。

物語の舞台はモロッコのとある町。主人公のマリクは職に就かずアラールとスフィアンと遊びまわり時に窃盗を働き小銭を稼ぐ小悪党。ある日マリクはドゥニアというナイトクラブで働く売春婦に出会い一目惚れしてしまいます。数日後、ナイトクラブが麻薬捜査で摘発され彼女が逮捕されたことを知ったマリクは何とかして救い出そうとするのです。

これはモロッコの青春恋愛映画と言える作品ですよね。マリクたちの年齢設定がわからないけど、無軌道で刹那に生きながらも彼らなりに夢を追い求めて懸命になる姿にヒリヒリさせられながらも引き込まれていってしまいました。

ドゥニアを救いたいマリクはデバス刑事にある有力情報を提供しその見返りにドゥニアを釈放としてもらいます。ドゥニアはそんなマリクの想いに応え二人は恋に堕ちそれからラブラブな日々を過ごしていくのですが、デバス刑事にはマリクにさらなる情報提供を要求。その一方でアラールが宝石店強盗の計画を持ちかけてきてドゥニアとの幸せな日々を失いたくないマリクは葛藤するのです。

劇中でひったくりのシーンが2度ほどありましたけど、実際にあんな白昼堂々と行われてるものなのでしょうか?目撃者の集団に追いかけられてましたけど成功率は低そうですよね。捕まってリンチされる場面もありましたが、このシーンがあることでモロッコ社会を知らない私でもマリクたちが生きる日常の姿が何となく想像出来てくるんですよね。

雰囲気や展開からして単純なハッピーエンドではなかろうとは思いつつもだからといってサスペンスな緊張感もなかったのでいったいどんな結末になるんだろう?とハラハラしながら物語を見つめていましたけど、あのラストシーンは全く予想していませんでした。いかにして逃げ延びるんだろう?とそのことばかり考えていたので、まさかあそこで裏切られるとは思いもしませんでした。警察に捕まるよりも衝撃的な展開ですよね。あんな形でマリクから幸せな日々が奪われていくことになろうとは。でも、この結末だからこそ今作は青春恋愛映画だったと自信を持って言えるのです。

ストーリー的には古い映画を観ているような雰囲気がありましたけど、でもこれも今の世界のどこかで生きている若者たちの姿を映し出す作品なんですよね。


刹那度★★★★