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天才スピヴェット『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督がライフ・ラーセンの異色冒険小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」を原作に双子の弟の死を乗り越えようとする10歳の天才科学者の少年の姿を描いたアドベンチャー・ロード・ムービーです。ジャン=ピエール・ジュネ監督初の3D作品とのことですが私は2Dで鑑賞。

出演はその他に、ヘレナ・ボナム=カーター、ジュディ・デイヴィス、カラム・キース・レニー、ニーアム・ウィルソン、ジェイコブ・デイヴィーズ、ドミニク・ピノン
監督:ジャン=ピエール・ジュネ

+++ちょいあらすじ
アメリカ北西部のモンタナで牧場を営む父と昆虫博士の母、そしてアイドルを夢見る姉と暮らす10歳の少年スピヴェットは天才的な頭脳の持ち主だったが家族や周囲には理解されないのが悩んでいた。そんなある日、スミソニアン学術協会からスピヴェットが発明した磁気車輪がベアード賞を受賞したとの連絡があり・・・
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さすがはジャン=ピエール・ジュネ監督、期待以上に面白かったです。ファンタジックな演出と独特のユーモアで彩りながらもまだ幼い10歳の主人公・T.S.スピヴェットの心の内を瑞々しくも繊細に紡ぎ描いていくとても素敵なハートフル・ムービーでした。

双子の弟レイトンがなくなった事故の真相は観るまでもなく予想がついていたことでしたけど、それをクライマックスで明かすまでの流れがとても巧妙なんですよね。父に愛されていたレイトンが亡くなったことでより疎外感を抱くことになったスピヴェットが自分を認めてほしくてスミソニアン学術協会のあるワシントンDCへ行くために一人貨物列車に忍び込み旅立ちます。そして旅の途中、家から持ち出した母の日記を読み知らざる想いを知り、そして旅の中でのいくつかの出会いがスピヴェットを成長させ家族というものを見つめ直させていくのです。

実はレイトンの死に最も深く傷ついていたのは他の誰でもないスピヴェット自身であり彼は誰にも言えない罪悪感にずっと苛まれ続けていたんですよね。きっと両親も姉もレイトンの事故の原因についてはおそらく見当はついていたのでしょう。両親にも罪の呵責があったはずだし。そして傷つくスピヴェットを想ってあえて何も語らずにいたのでしょう。しかしそれがかえってスピヴェットの疎外感、孤独感を深めてしまうことになったのかもしれません。

そんな真相が明らかにされていくクライマックスのインタビューはとても感動的でありまた結末が痛快でしたね。思わず涙腺緩みましたけど、すぐさま笑わせてくれるあのセンスがまた巧いんですよね。そういえばヘレナ・ボナム=カーターの普通の(とはいえそれなりに個性的でしたけど)お母さん役って初めて観たような気がするかも(笑)。


冒険度★★★★★