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サンバ最強のふたり』の監督&主演のエリック・トレダノ監督とオマール・シーが再タッグを組みさらに共演に大女優シャルロット・ゲンズブールを迎えて、国外退去を命じられ青年と彼を救おうとする周囲の人々の奮闘を描いたヒューマン・ストーリーです。

出演はその他に、タハール・ラヒム、イジア・イジェラン
監督:エリック・トレダノ

+++ちょいあらすじ
アフリカのセネガルからフランスに来て10年。料理人を目指しレストランで皿洗いの仕事をこつこつとしてきた青年サンバはうっかりビザの更新を忘れ失効してしまい国外退去を命じられてしまう。心を患い休職し療養を経て社会復帰のため移民支援協会ボランティアを勤めるアリスは窮地にありながらも前向きに生きるサンバに興味を抱き・・・
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良かったです。良かったんですけど、この微妙な後味はどう消化すればいいのでしょうか?サンバにとってはジョナスは神でハッピーエンドだったと喜んでいいのかもしれないけど、これジョナスを主人公の物語にしたらとんでもない悲劇ですよね。どうもそのことが頭から離れなくてあの結末が素直にうけいれられないんだなぁ。

物語の主人公サンバはパリで皿洗いをして働くセネガル出身の青年。真面目に勤めもうすぐ調理師の資格も得られるという時に、滞在資格の更新をし損なって国外退去を命じられてしまいます。しかし帰国するわけにいかないサンバは移民協力ボランティアの女性アリスの支援を受け不法滞在を続けます。一方、心を患い社会復帰のためにボランティア活動をしていたアリスはサンバとの交流の中で再生し彼に惹かれていくのです。

サンバが真面目な青年というのは裁判で好印象を与えるためにアリスとマニュが言ってるだけであって警備員の仕事ぶりや友達の彼女を寝取ってしまったりするようなところもあったりするんですけど、かといって粗暴ではないし不真面目というわけではなく、そういうことも含めてごく普通の青年、どちらかと言えば好青年なんですよね。だから観ているこちらも彼の境遇は気の毒に思えて応援したくなってきちゃいます。不法滞在はルールだから仕方がないといってしまえばそれまで、そこに拘る人は観ないほうがいいでしょう(笑)。

終盤はすっかりラブストーリー状態でしたけど、大国フランスか抱える移民問題も当事者の視点で描かれていきます。序盤あたりの雰囲気、手持ちカメラで追っかけていくとこなんかどことなくダルデンヌ兄弟監督を彷彿させ社会派の匂いを漂わせていくのですが、基本的には苦しい境遇にある主人公サンバが持ち前の陽気なキャラクターで周囲の人々を惹き付けていくのです。

私もサンバに魅了されてしまったわけですが、それだけにあの結末で喜んでいいのか複雑な気持ちになるんですよね。もっともサンバ自身もかなりの葛藤を乗り越えての決断だったみたいだし、幸せな人生を得るためにはこういう現実もありえることなのかもしれませんね。サンバは彼の分も必死に生きることでしょう。

それにしてもシャルロット・ゲンズブールは素敵だったなぁ。デビューした頃からファンなんだけど、すっかり大女優ですよね。

ところで劇中のセリフに出てくる『キリクと魔女』はミシェル・オスロ監督によるとても美しいフランスのアニメーション映画です。


再生度★★★☆