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犬に名前をつける日すべては海になる』の山田あかね監督が自身の愛犬を重い病気で亡くしたのをきっかけに4年間にわたり取材した動物愛護センターや犬猫の保護団体の映像をベースに取材する女性テレビディレクターの葛藤を描くドラマを加えたというドキュメンタリードラマです。

出演はその他に、上川隆也、青山美郷、今村沙緒里、渋谷昶子
監督:山田あかね

+++ちょいあらすじ
愛犬のゴールデンレトリーバーのナツを重い病気で亡くし傷心するTVディレクターの久野かなみは大先輩の映画監督・渋谷昶子から犬をテーマにした映画を作ってみたらと助言され取り組んでみることを決意。これまで敬遠していた千葉の動物愛護センターを取材で訪れると、処分されていく動物たちと彼らを救おうと奮闘する人々の姿を目の当たりにする・・・
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これ観ちゃうとなんだかもう安易な気持ちでペットショップに立ち寄れなくなってしまいますね。

『犬に名前をつける日』とありますが猫もたくさん登場しました。この作品は人間のエゴで動物たちの生命が失われていく過酷な現状と、その現状を少しでも改善し出来うる限りの命を救おうとする尽力する人々の姿や、震災などで離れ離れにならざるをえなくなった飼い主さんとペットの姿を通じて、観る人にペット社会が抱える大きな闇と人間の存在無しでは平穏に生きてはいけない動物たちの姿を通じて、ペット社会、ペット産業における大きな問題を問いかけてきます。

一番に痛烈に感じられたのが繁殖屋から買ってはいけない儲けさせてはいけないという広島に本拠地を置く“犬猫みなしご救援隊”の中谷さんの言葉でした。みんながペットショップで犬や猫を買うことで、儲かるからと業者が参入し命を粗製乱造しモノのように扱い売れなければ廃棄し不幸な動物たちが次々と生まれていくというのです。もちろん良心的なブリーダーさんもいるんだとは思いますけど、生命の売買が大きな市場となってしまっていることに元凶があるのは間違いないでしょう。安易に製造し安易に売り安易に買い安易に捨てる。この構造を打破することが必要です。そのためには中谷さんらがおっしゃる通りにペットショップでは買わないというのが現状では最善の策なのかもしれません。

物語としては小林聡美さんが監督の山田あかねさんをモデルとする主人公・久野かなみを演じるスタイルで描くドキュメンタリードラマ。久野かなみが愛犬ナツを亡くしたのきっかけに犬をテーマにした映画を作ろうとするのが出発点となっています。しかしいわゆる演じているのは一部分に過ぎず、小林聡美さんが取材する姿や感じた自身の言葉や思いというのは台本ではなくドキュメンタリーそのものと言えます。あえて役名つけなくても良かったんじゃないかと思うほど、そのまんまの小林聡美さんだったと思うけど、そこはあえて脚色することで、シリアスな社会問題を正義感や道徳観を押し付けず優しく厳しく語りかけてくるのでしょうね。

映画としては素朴な小さいけど内包するテーマはとても深くて重い作品でした。愛犬家、愛猫家を自称される方々やペット産業に携わる方はまずはこの映画を観ることを義務とすべきかも。

犬猫合わせて年間16万頭ほどが殺処分されるという現状は深刻に受け止めなければいけませんね。


生命度★★★★★