生ハムが今、静かなブームの予感です。
ここで言う生ハムはスペイン産のハモンセラーノ(Jamon Serrano)のことで、それを原木(脚1本のカタマリ)で購入すると大体3万円弱。固定用の台座とナイフがセットで付いてきます。
なんだか高いように思えますが、骨までコミで6~7kgの生ハム、バーなどでちまちまちょっぴりで払う代金を考えればとってもオトク。生ハム生活の先達いわく、独身だと毎日ちょっとずつ食べても3ヶ月~半年はかかるとのことです。
朝は生ハムとバゲットでも組み合わせ、夜は生ハムに合う酒を吟味しつつ宅飲みを楽しむと考えるならば、外食が結果的に減ることによってトータルで節約にもなろうというものです。
で、さっそくAmazonでポチって巨大な肉塊が届いたのですが、すぐに食べられるわけではありません。密封されたまま、まずは室内で2~3日放置して温度変化に慣らし、しかる後に開封。そこで表面の汚れを拭き取ってオリーブオイルを丹念に塗り、さらに3日以上放置するのです。そうしてやっと、醗酵保存食品としてイイカンジになるのだとか。
で、あまりの存在感のある肉のカタマリ。せっかくなので黒ロール紙を買ってきて拙宅の一部をスタジオ化し、夜な夜な物撮りの練習をしておりました。
こっちは皮側。美しい……。この写真を撮るまで3日かかりました。
クルマの流し撮りなどは現場で一瞬を切り取る勝負ですが、静物の撮影はアングルからライティングまでこちらでコントロールできる分、かえって詰め将棋のようにあれこれキッチリ処理していかないとイカンのですね。
でこっちは裏側というか、肉の切断面の側。なんだかグロい感じもしますが、肉を食うというのは実際こういうことなのだから仕方ありません。
到着してから1週間ちょい、撮影に凝ってしまってやや時間がかかりましたが、豚さんの犠牲に感謝を捧げつつ、ようやくナイフを入れました。
皮と脂身を取り除いて出てきたのは美しい赤身。しっとり熟成した生ハムの味には、ナッツのようなコクと若干フルーティーなキレがあり、これからどう味わっていこうか夢が広がります。
まずは綺麗に薄くスライスする修行の日々であります。
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